HyperAIHyperAI

Command Palette

Search for a command to run...

機械学習が新超伝導体を発見、探索を加速

アールト大学を本部とする国際共同研究コンソーシアムSuperCは、機械学習を活用した新材料探索手法により、超伝導を示す新たな化合物YRu3B2とLuRu3B2の同定に成功した。本研究では、伝統的な籠細工の編み目を模したカゴメ格子構造を有する物質が、電子のフラットバンド形成を通じて超伝導性を発現することを明らかにした。同コンソーシアム代表のアールト大学Päivi Törmä教授は、本手法が従来の偶然に依存した探索から計算科学的な予測探索への転換をもたらすと強調する。 超伝導体は電気抵抗がゼロとなる量子材料であり、量子コンピュータや医療画像装置などの基盤技術として不可欠である。ただし、既存材料のほとんどは極低温環境を必要とし、室温で動作する超伝導体の発見は長年の課題だった。SuperCは2023年の設立以来、量子幾何学と機械学習を融合させた探索パイプラインの開発を進めており、2033年までの室温超伝導体実用化を目指している。 本研究成果の核心は、試行錯誤による材料探索のボトルネック解消にある。従来、超伝導候補物質の理論評価は計算コストが高く、数万の候補から数十種類に絞り込むのが限界だったが、機械学習による事前スクリーニングと精密計算の組み合わせにより、探索対象を数十億規模に拡大可能となった。理論的検証後、ライス大学のEmilia Morosan教授チームにより試料合成が行われ、超伝導特性が実験的に確認された。 Törmä教授は、室温超伝導材料の実用化がデータセンターの配線材料を置き換えることで、ICT部門のエネルギー消費と発熱を劇的に削減できると指摘する。同研究は2026年9月から首都圏ヘルシンキの展示会で公開される予定である。機械学習駆動型材料科学は、常温超伝導の実現と次世代エネルギー技術の革新へ重要な一歩となる。

関連リンク