Pixel 10 ProのAIズームが本格レンズとどう違う?実測で検証
Googleの最新スマートフォン「Pixel 10 Pro」には、生成AIを活用したAIズーム機能「Pro Res Zoom」が搭載され、最大100倍のデジタルズームが可能になった。この技術は、光学ズームがないスマホで画像を拡大する際に、AIが欠けた部分を「推測して補完」する仕組みだ。一方、実際の光学ズームレンズを持つカメラ「Nikon Coolpix P1100」(24–3000mm相当)は、元の情報に基づいて処理するため、AIによる推測が不要。 実際に月や遠方の建物を撮影して比較した結果、Pixel 10 ProのAIズームは「月に見える」程度にはなりますが、表面に不自然なスポンジ状の質感が生まれ、本物の月とは異なる印象を与える。また、Lumen Fieldやスターバックス本社の外観を撮影した際、AIは文字を読みやすくしたり、輪郭をクリアにしたりするが、金属製の外壁を消し去るなど、過剰なノイズ除去が起き、一部の照明を窓に誤認するなど、意図しない変形も発生。特に、サルバドール・ダリのような歪んだ時計や、熱波による歪み(熱ハaze)に対しても、AIは「ティム・バートン風」の不自然な描写を生み出す。 一方、P1100も熱波の影響で画像が歪んでおり、AIが勝手に補完する必要がある状況は、従来の画像編集ツールでは解決困難な課題である。この点で、AIがカメラアプリ内に組み込まれることの価値は高い。特に熱波や霧による画像劣化の補正では、AIが唯一の有効な手段になり得る。 ただし、AIズームはあくまで「推測」に基づくため、誤りは頻発する。AIが「何を意味しているか」を理解しているわけではなく、結果は一貫性に欠ける。それでも、生成AIが撮影段階から画像補完に参加するという試みは、今後のカメラ技術の方向性を示す重要な一歩である。この技術はまだ完璧ではないが、今後も進化が期待される。
