JPMorgan、今年も198億ドルをテクノロジーに投資 AI活用で効率化を加速
JPMorgan Chaseは2026年、技術分野への支出を前年比約10%増の198億ドル(約3兆1000億円)に拡大する。同社の2026年経営戦略発表会で、CFOのジェリーサ・バーナム氏が「技術は経費増加の主要因」と明言。このうち約12億ドルは新規投資に充てられ、特に生成AI(GenAI)関連プロジェクトが中心となる。バーナム氏は、投資の重点領域として、コールセンターの顧客対応向上、顧客向けパーソナライズドインサイトの強化、開発者向けツールの整備を挙げた。 CEOのジェイミー・ディモンド氏は、AI投資の成果を定量的に測定するのは極めて難しいと指摘。「時間の節約」といった効果は「抽象的すぎて実測できない」と語り、技術プロジェクトのROI(投資対効果)は長年にわたり測定困難な課題だと強調した。同氏は、投資の正当性は「世界最高の技術を維持する必要性」にあり、それが収益性、競争力、持続的な成長につながると説明した。 一方、人件費の増加は技術支出の主因ではない。バーナム氏は、新製品開発に向けた人材の一部増員は計画されているものの、文化として「新たな機会があれば人を増やす」のではなく、効率的なリソース配分を重視していると説明。また、インフレによるAIハードウェアコストの上昇も支出増の一因となっている。 同社はEvident AIの銀行業界AI成熟度ランキングで首位を維持しており、競争の激化を認識している。消費者・コミュニティ銀行部門のマリアンヌ・レイクCEOは、「自分たちが勝ち続ける権利があるとは思わない。常に顧客価値の最適化とプロセス改善に集中する」と述べ、警戒心の重要性を強調した。 他にも、バンク・オブ・アメリカは2026年、技術投資として約140億ドルを計画。金融業界全体がAIを基幹技術として取り入れ、業務効率化と顧客体験向上を推進する動きが加速している。
