DeepMind、AIで100年未解決の流体力学の難問を解明
グーグル傘下のAI研究機関・ディープマインド(DeepMind)が、1世紀以上にわたって未解決だった流体力学の難問をAIによって解明した。この成果は、物理学や工学に大きな影響を与える可能性を秘めており、AIが科学の根本的な問題解決に貢献できる実例として注目されている。 流体の動き、たとえば飛行機の翼の周りを流れる空気やパイプ内の水の乱流は、非常に複雑で予測が難しい。数学的な方程式でこれをモデル化しようとすると、多くの場合、極端な状態——無限の圧力や速度——を予測してしまう「特異点(singularities)」が出現する。これらの特異点は「安定」か「不安定」かに分けられ、特に不安定な特異点は見つけるのが極めて困難だった。 ディープマインドの研究チームは、物理学の法則をAIモデルに組み込み、段階的に最適化する独自の手法を採用。機械学習を用いて、3つの流体力学方程式において新たな「不安定特異点」の存在を発見した。この結果は、計算精度が非常に高く、数学的に検証可能なレベルに達しており、研究チームは「数学物理学における長年の課題に新たなアプローチを提供した」と述べている。 この発見の意義は、乱流の理解を深めることにある。乱流は航空機の抗力や気象システム、血管内の血流、エネルギー伝達など、多くの分野で重要な役割を果たしている。特に、流体が物理的性質に従わず「運動量」で支配される「混濁状態(turbidity)」の監視において、従来のソフトウェアが正確性を保てなかった問題を解決する手がかりとなる。 ディープマインドのCEOであるデミス・ハサビス氏が率いるチームは、AIを科学の探究ツールとして活用する先駆的な取り組みを続けている。今回の成果は、AIが単なるコンテンツ生成を超えて、基礎科学の進展に貢献している証左だ。
