Meta、AI 訓練で Google や LinkedIn の従業員のキー入力を追跡
Meta は自社開発の人工知能モデル訓練を目的として、従業員の勤務用コンピューター上で Google、LinkedIn、Wikipedia、Microsoft の GitHub、Salesforce の Slack などの数百の外部サイトやアプリケーションにおけるキー入力やマウスクリックのデータを収集する監視ツール「Model Capability Initiative(MCI)」を運用していることが判明した。このプロジェクトは、メタの CEO マーク・ザッカーバーグ氏がジェネレーター AI の分野で先行する他社との差を埋めるための戦略の一環として進められている。メタの AI 研究部門「Superintelligence Labs(MSL)」が実施したこの調査では、従業員の実際の作業フローを学習データとして獲得するために、画面に表示される内容や操作履歴を記録している。メタの広報担当者は、AI エージェントが人間同様に日常的なタスクを遂行できるようになるには、実際のユーザー操作のデータが必要だと説明し、機密情報の保護 safeguards を設けて特定の目的以外の使用は禁止していると強調している。しかし、この監視体制には社内で強い懸念が広がっており、従業員の一部はこれを「ディストピア的」と表現している。特に、従業員の個人情報や新製品開発の詳細、さらにはパスワードや家族の健康情報といった機微なデータが収集・漏洩するリスクを懸念する声が多く上がっている。MSL の担当者は、ツールは画面に表示されている内容のみを捉える仕組みであり、ファイルや添付文書の中身を読むことはできないと説明している。また、収集された画面内の偶発的な個人情報はモデルの学習に使用されないよう配慮されていると主張した。さらに、このツールを恐れる従業員に対しては、勤務用コンピューター上で個人的な作業を行わないことで画面に表示される個人情報を制限できるとの方針を示している。メタはこのデータ収集により、より高度な AI エージェントの構築を目指しており、今後の技術開発において実世界の作業データをどう活用していくかが注目される点である。
