ギリシャ首相、AI対策の遅れを率直指摘
ギリシャのミツォタキス首相がサンフランシスコで開催されたテック系イベントに出席し、同国の経済復興戦略とAI政策に関する率直な見解を示した。ミツォタキス首相は来年MSCIの先進国入りが予定されるギリシャの技術誘致を推進。債務返済の加速や米国債を上回る国債利回りの実現を強調し、ストックオプション課税の見直しや労働法改正、帰国者への優遇税制など政策基盤の整備を説明した。 経済戦略と並行し、EUの回復基金約360億ユーロのうち大部分がデジタルインフラ整備に充てられたと明らかにした。政府手続きのオンライン化に加え、ラヴリオ港に建設中のHPE製スーパーコンピュータは数月中に稼働し、AI研究と科学計算を強化する見込みだ。人材流出の抑制と技術企業への税制優遇を柱とする誘致戦略は、米国ビザの厳格化に伴う国際的な人材動向の変化を捉えたものとも解釈される。 AIに関する議論については、多くの指導者が密室で慎重な姿勢を保つ中、「既に昨日の戦いに挑んでいる」と率直に指摘した。来年1月施行の15歳未満向けSNS利用禁止法やOpenAIとの教育パイロット事業を進める一方で、AI依存による学習意欲の減退を警告。データセンター誘致については、電力消費を巡る世界的な反対運動が進む中でもギリシャは業界の歓迎を続けていると述べ、MicrosoftやAWSの大規模計画を推進中だと明らかにした。 雇用変動の不可避性を認めつつ、モデル開発者らの沈黙を重く受け止め、AI開発の速度制御と「スマートな規制」の必要性を強調。規制枠組みの行方は米国を中心に決まる一方、技術革新と倫理の対話を促進するためアテネの哲学伝統を活用する意向を示した。ミツォタキス首相の認識は、技術進化の加速に対応する統治モデルの再構築が急務である点を浮き彫りにしている。
