NVIDIA Nemotron 3 Ultra、RTL生成で精度・効率首位
NVIDIAはオープンソースAIモデルNemotron 3 Ultraが、エージェント型RTLコーディングタスクにおいて精度と効率性の両面で業界最高水準を達成したと発表した。本モデルはACE-RTLエージェントフレームワークと連携し、ハードウェア設計の複雑な検証・修正ワークフローを大幅に加速させている。 最新の評価基準であるCVDPベンチマークにおける結果によると、Nemotron 3 UltraはRTLコード補完、仕様からコードへの変換、モジュール再利用、テストベンチ生成、デバッグなど9つのカテゴリで平均通過率97.1%を記録した。特に仕様からRTL生成への直接変換やデバッグ修正タスクでは100%の達成率を示している。同エージェント内で他のモデルと比較した場合、Nemotron 3 Ultraは推論コスト面でも優位性を発揮し、1回の反復あたり平均6,629トークンで収束しており、競合モデルを大幅に下回る演算効率を実現した。これにより、同じ計算リソース内でより多くの設計課題を処理可能となり、エンジニアの作業負荷軽減と納期短縮に貢献する。 Nemotron 3 Ultraは総パラメータ数550B、アクティブパラメータ55BのMoEアーキテクチャを採用し、ハイブリッドMamba-Attention構造によりKVキャッシュの削減と推論スループットの向上を実現している。100万トークンの長いコンテキスト長をサポートし、エージェントが設計仕様、シミュレーション結果、過去の修正履歴などを一体的に管理することを可能にしている。トレーニングデータについては、公開リポジトリから抽出した設計シードを基に、仕様の生成コード修正、失敗事例の注入などを実践的なエンジニアリングフローに近づけて合成した。これにより、単なるコード生成だけでなく、検証フィードバックを踏まえた反復的なデバッグ能力を高度に習得している。 本モデルは既に主要EDAベンダーのエコシステムと統合されつつある。CadenceはChipStack AI SuperAgentを通じてRTL生成から検証リグレッションまでをエージェント協調で実行し、SiemensのQuesta One Agentic ToolkitやSynopsysのAgentEngineerと連携することで、長期にわたる自己検証フローの構築を支援している。これにより、手動での検証作業を大幅に削減し、半導体設計の前工程から事後工程までの自動化を推進する。 Nemotron 3 Ultraはオープンモデルとして現在利用可能であり、開発者はHugging FaceやNVIDIAのBlueprintsプラットフォームから入手できる。ハードウェア設計のAI自動化を加速させるこの新基準は、次世代のエージェント型エンジニアリングツール開発において重要なマイルストーンとなる。
