AIの水・エネルギー消費をめぐる議論:アリマンCEOが「人間もエネルギーを使う」と反論
OpenAIのCEO、サム・アルトマン氏は、人工知能(AI)のリソース消費に関する懸念に対して、水使用量の問題は「フェイク」であり、人間のエネルギー消費と同様に正当化できると主張した。インドのAIインパクトサミットに出席中のアルトマン氏は、『インディアン・エクスプレス』とのインタビューで、AIが1回のクエリごとに大量の水を消費するという主張を「完全に事実無根で、現実からかけ離れている」と断言した。データセンターは電気機器の冷却のために水を多く使うが、近年の技術革新により、一部の新設施設では水を使用しない冷却方式も導入されている。一方、水技術企業Xylemとグローバル・ウォーター・インテリジェンスの報告では、今後25年間でデータセンターの冷却用水が3倍以上に増加する可能性があると予測されており、水資源への圧力は増す見込みだ。 アルトマン氏は、水使用よりもエネルギー消費の総量が真の問題だと指摘。AIの普及が進む中、再生可能エネルギーと原子力への迅速な移行が不可欠だと強調した。また、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏が「人間の脳の効率性からAIも将来的に省エネルギー化できる」と述べたことに対し、反論した。彼は、「AIモデルの訓練にはエネルギーが必要だが、人間も20年間の食事と生活に膨大なエネルギーを消費して育つ」と述べ、訓練段階の比較は不公平だと指摘。むしろ、モデルが訓練済みの状態で質問に答える「インファレンス」の段階では、AIのエネルギー効率はすでに人間と同等か、それ以上に達していると主張した。 この発言は、AIが人間の働きを代替する可能性に関する議論を再び高めた。インドのソフトウェア企業Zohoの共同創業者・最高科学者であるスリドハール・ベンヌ氏は、技術と人間を同等に扱うことは「望ましくない」と批判。一方で、各国政府や企業はAIの成長に伴い、データセンターの建設を加速。国際通貨基金(IMF)の5月の報告では、2023年のデータセンターの電力消費はドイツやフランス並みに達しており、ChatGPTの登場以降、急増している。こうした状況を受け、一部の地域では電力網への負担やコスト上昇を懸念し、開発プロジェクトが中止される事例も出ている。アルトマン氏ら技術リーダーは、再生可能エネルギーと原子力の拡大が、AIの持続可能性を支える鍵だと訴えている。
