具身知能、資金が競争指標に重資産が主導権掌握
2026年上半期、具身智能(実体AI)分野で資金調達競争が激化している。特に中国では過去6ヶ月間で投資総額が460億元に達し、估值100億元超のユニコーンが25社に増加した。そのうち8社以上が200億元を突破し、宇樹科技や智元机器人などがトップランナーとして注目を集めている。資金が事実上の競争指標となり、企業は次々と高額バリュエーションを公表している状況だ。 この過熱は、投資家が技術的成熟度ではなく将来の総市場規模を基準に判断していることを示す。労働力縮小とAI能力の飛躍的向上が重なり、汎用物理AIに7兆5000億ドル規模の市場が期待されているためだ。特に中国では、製造業の高度化と経済安全保障を背景に、資本と政府の支援が集中している。米国でもFigure AIなどが超高額バリュエーションを獲得しており、全球規模で資源が集中する様子がうかがえる。 一方で、実際の技術水準は商業化の要件に追いついていない。現在のバッテリー駆動時間は生産現場の要求時間に遠く及ばず、ラボ環境で高い成功率を示すアルゴリズムも実導入時には性能が大幅に低下する傾向がある。業界内でも最適アーキテクチャを巡る合意は形成されておらず、実証段階の初期にあるとの見方が強い。 しかし、この資金流入は単なるバブルとは言えない。AIがソフトウェアから物理世界へ拡張する中で、センサー、アクチュエータ、基盤モデルなどのインフラ整備は不可欠であり、特定形態に依存しない技術蓄積が促進されている。短期的なバリュエーション競争は続くものの、産業実装に向けた長距離レースの序盤であり、資金と人材の集中が最終的な技術成熟を加速させると見られている。
