SerpApiによる違法なデータスクレイピングに対し、法的措置を講じる理由
Googleは2024年、検索結果に掲載された著作物のコンテンツを不正に収集・再販する行為で知られるスクラピング会社「SerpApi」に対して、米国連邦裁判所に提訴した。この訴訟は、Googleが保有するセキュリティ対策を意図的に回避し、著作権者やウェブサイトの明示的な許可なくコンテンツを収集する行為を停止させるための法的措置であり、ウェブ上のコンテンツ保護と著作権尊重の立場を明確にした重要な一歩である。 SerpApiは、Googleの検索結果に表示される画像やリアルタイムデータ、知識パネル内の情報など、Googleがライセンス契約に基づき提供を受けたコンテンツを、正当な権利者に無断で収集している。このコンテンツは、Googleが他者と交わした契約に基づき、特定の条件の下で利用が許可されたものであり、SerpApiがその内容を収集・再販する行為は、明確な契約違反と著作権侵害にあたる。さらに、SerpApiは「クローキング」(偽装)や、多数の偽のIPアドレスを持つ大量のボットを用いた攻撃、名前を頻繁に変更するといった技術的手法で、Googleのセキュリティ対策を意図的に回避している。これにより、サイト所有者は自らのコンテンツが誰に、どのように利用されているかを把握できず、コンテンツの配信制御権を失っている。 Googleは、業界標準のクローリングプロトコル(robots.txtなど)に従い、ウェブサイトの掲示するアクセス制限を尊重する。しかし、SerpApiのような「ステルススクラッパー」は、こうしたサイトの意図を無視し、自らの利益のためにコンテンツを強制的に収集する。この行為は、過去1年間で顕著に増加しており、Googleが技術的対策を強化しても、その回避技術が進化している。 この訴訟は、Googleが過去に同様の不正スクラッピング行為に対して行なってきた法的対応の継続であり、不正なコンテンツ収集を行う悪質な業者を摘発するための「積極的訴訟」戦略の一環である。Googleは、ウェブ上の信頼性と公平性を守るため、膨大なリソースを投入して不正行為を検出・阻止しており、技術的対策が無効化された場合に限り、法的手段を最後の手段として用いるとしている。 専門家からは、「SerpApiの行為は、コンテンツ提供者の権利を軽視する典型的な悪質なスクラッピング」と指摘され、こうした行為が広がれば、コンテンツ制作のインセンティブが低下し、健全なインターネット環境が損なわれる恐れがあると警告されている。Googleは、こうした問題に対し、技術的対策と法的措置を併用することで、ウェブ全体の健全性を守る姿勢を貫いている。
