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AIが従来MRIでMSの皮質病変を検出

ユニバーシティ・アット・バッファロー(UB)主導の国際研究チームは、従来の臨床用MRIスキャンから多発性硬化症(MS)の皮質病変を人工知能(AI)で検出する手法を開発し、学術誌Communications Medicineで発表した。本研究は、長年画像診断の限界により臨床で可視化が不可能だった脳の灰白質領域の病変解明に寄与する。 従来のMRIは白質の病変は検出可能だが、皮質病変の追跡は困難であり、MSの進行や認知機能低下の重要な指標が見過ごされてきた。UB神経科のマイケル・G・ドワイヤー博士らは、複数の異なるコントラストMRI画像を組み合わせ、AIが画像間の微細な組織差異を学習・抽出する技術MMCLE(マルチモーダル皮質病変強調)を開発した。生成AIが複数画像の関係を解析することで、従来法では検知できなかった皮質病変の可視化に成功した。 検証には、製薬企業ジェンテック社製のMS治療薬オクレリズマブを評価した第III相臨床試験ORATORIOのデータが用いられた。700人以上の参加者データに同AI手法を適用した結果、全体で1万1000件以上の皮質病変が検出され、患者一人あたり平均15から20件の病変が確認された。 責任著者のロバート・ジバジノフ教授は、本技術が過去の臨床試験データの再評価や将来の治験設計に大きな影響を与えると指摘する。ドワイヤー博士は、計算手法の進歩により病理学で長年確認されてきた見えない進行中の損傷を画像データとして捉えられるようになったことを医学的AI応用の成功事例としている。 皮質病変の可視化は、MSの診断精度向上と治療効果モニタリングを根本的に強化する。特に白質病変の抑制を主眼としていた従来の治療薬とは異なり、灰白質領域の神経変性を追跡する新薬開発や患者個別の疾患経過管理において、AI駆動型画像解析は不可欠なインフラとなる。UBとオランダ、ジェンテックを含む産学連携による本成果は、神経疾患の画像診断パラダイムを転換するものとなる。

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