再生元創設者、AI創薬で基礎研究堅持
2026年4月、再生元製薬の共同創設者兼最高科学責任者ジョージ・ヤンコプロスがホワイトハウスを訪問し、難聴遺伝子療法「Otarmeni」の承認と米国内対象患者への無償配布方針を説明した。ヤンコプロスは、業界がM&Aや確立標的の模倣開発、AI創薬へ集中する現状に対し、真の医薬品イノベーションは疾病メカニズムへの深い理解から生まれると指摘。同社の内部研究と人間遺伝学重視の戦略を再強調した。 近年の創薬トレンドは競合の集中と開発の短期的最適化が進んでいる。ヤンコプロスは再生元がVelociGeneプラットフォームや大規模遺伝子データベースへの投資を優先する理由を、新規標的の独自開拓に必要不可欠な基盤であると説明した。現在同社は腫瘍や神経変性疾患を含む約60の内部候補薬を推進中である。 商業面では主力製品の成熟に伴う課題が表面化している。眼科薬「Eylea」は競合品の市場参入により成長が鈍化しており、主力免疫薬「デュピルマブ」の特許切れ(2030年代初頭)も控えられている。これに対応するため、再生元はGLP-1類似剤が殺到する肥満治療市場でも標的追従を避け、抗ミオスタチン抗体や遺伝子解析から同定したGPR75機能欠失変異に基づく新規アプローチを検討。AI技術については、データ処理や候補選定の効率化ツールとして位置づけ、科学的仮説の構築や臨床検証における人間の専門的判断を優先する姿勢を明確にしている。 ヤンコプロスの提唱する科学駆動型創薬モデルは、長期的な開発リスクと資本市場の成長圧力という現実と両立しながら展開される。再生元は新技術を拒否するのではなく、基礎生物学と臨床データを土台とした確実な判断を維持し、業界の短期的トレンドに依存しない持続的イノベーションの指針を示している。
