ニール・マーレイ、AI・ロボット分野に注力する第3弾北欧向けファンドを600万ドルで結成
コペンハーゲンを拠点とするスタートアップ投資ファンド「The Nordic Web Ventures」の創業者・一般パートナーであるニール・マーレイ氏が、第三期ファンド「Fund III」の600万ドル(約9億円)の資金調達を完了したと発表した。このファンドは、北欧(デンマーク、スウェーデン、ノルウェー)の初期段階スタートアップに向けた最初の機関投資チェックを狙い、人工知能(AI)ネイティブ企業、ロボティクス、ディープテック分野の優れた創業者を支援する。マーレイ氏はソロGP(一般パートナー)として、これまでに2つのファンドを運用してきたが、これらは「実績を証明するための試験的なツール」と位置づけており、7年間で50社以上に最初の投資を実施。ポートフォリオにはユニコーン企業のLovableやリモートワーカー向け保険企業SafetyWing、UIデザインツールUizard(売却済み)などが含まれる。 2024年には北欧のスタートアップエコシステム全体が5000億ドルを超える評価額を達成し、ベンチャーキャピタルによる資金流入も80億ドルを超えた。マーレイ氏は、このファンドには2000万ドル以上の投資希望が寄せられたが、自身が「資産規模(AUM)よりも投資家のインセンティブ一致」を重視したため、600万ドルで上限を設定したと説明。小さなファンド規模を維持することで、管理報酬ではなく成果に基づくインセンティブ設計が可能になると強調。1社あたり約20万ドルの投資を予定し、30〜35社を支援する計画だ。 彼は「トップクラスの創業者に投資することが、株式比率を最大化することよりも重要」とし、優れた人材を優先する戦略を貫く。ファンドの出資者には、インスティテューショナル投資家であるAllocater Oneや、クリストフ・ヤンツ氏、Pacenotesなども含まれる。また、Kahoot!やPleoの創業者、MetaやGoogleの実務経験を持つ実務家も出資者として参加。かつてのファンド出資者たちが再投資していることも、彼にとって重要な指標とされる。すでに第一・第二ファンドの資金の半分以上を返還済みだという。 マーレイ氏は、北欧が「一時的なブーム」ではなく、「積み重ねられた成長」にあると評価。コンピュータサイエンスやエンジニアリング文化、製造業の強みに加え、「落ち着いた着実な開発スタイル」が、産業用・医療用・物流・消費者向けAIロボティクスの発展を後押ししていると分析。英国出身の彼は2013年にコペンハーゲンに移住し、当時ゼロからのスタートだったが、北欧のスタートアップシーンの潜在力を認識。その後、「The Nordic Web」というウェブサイトを立ち上げ、投資動向を分析。これがきっかけとなり、2017年に50万ドルのファンドIを設立。その後、ウェブサイトを停止し、投資に集中。現在に至るまで、北欧の持続的な成長基盤を支える投資家としての役割を果たしている。
