AI広告の失敗と議論 2025年、マクドナルドの「最悪のクリスマス広告」からコカコーラのAIトラック、メタのAIおばあちゃんまで
2025年、広告業界でAIの活用が進む一方で、多くの企業がAI広告に関する論争に巻き込まれた。消費者の多くはAI生成広告に対して否定的で、米国で実施された6,000人以上の調査では、AI広告に対する肯定的評価は18%にとどまり、39%が否定的、36%が中立と回答した。この背景で、複数の大手ブランドがAIの過剰な活用によって批判を浴びた。 まず、マクドナルドオランダは「一年で最もひどい時期」と題したAI生成のクリスマス広告を公開したが、視聴者から「皮肉が過ぎる」「不気味なキャラクター」との批判が相次ぎ、コメント機能を無効にしたうえで広告を削除。同社は「祝祭シーズンは『最高の時期』と感じている人も多い」とし、好意的な体験を提供する姿勢を示した。 コカコーラは、AIで再構築した「Holidays are Coming」広告を複数公開。しかし、トラックの車輪の数が途中で変化するなど、一貫性の欠如が指摘され、クリエイティブ界隈から「不自然」との声が上がった。制作会社のPJ Pereira氏は、消費者テストで5.9点(満点)の高評価を得ており、広告効果は高いと主張した。 メタは、アドバイス+機能で広告の自動生成を実施。アドバイザーが意図せずAI生成の「おばあちゃん」の画像を掲載する事態が発生。Metaは設定をオフにしても自動オンになるケースがあると報告され、ブランドが予期しないAI広告に予算を費やした事例も発生。 H&Mは30人のモデルの「デジタルツイン」を導入し、写真撮影を省略する計画を発表。ファッション界の労働者を代替する可能性や、同意・報酬の問題が指摘され、モデル連盟のSara Ziff氏が「クリエイティブ職の雇用が脅かされる」と懸念を表明。同社は「責任ある使い方を模索中」とし、透明性の向上を強調した。 また、バーガンディの8月号にAIモデル「ヴィヴィアン」と「アナスタシア」を起用した広告が掲載され、SNSで「不自然な美」や「クリエイターの雇用危機」との批判が広がった。制作会社のSeraphinne Valloraは、AIと人間の共存を目指すと説明した。 こうした事例から、AI広告は効率性をもたらす一方で、倫理的・社会的懸念が顕在化。2025年は、AI広告の「ブーム」から「反発」へとシフトする年となった。
