イスラエル、イッフェーロ次世代迎撃ミサイルの量産へ
イスラエルは、過去数年間にわたるイランとの交戦で実証された防空システムの経験を活かし、高精度の弾道ミサイル迎撃システムアローの次世代迎撃弾開発を加速させている。イスラエル・ミサイル防衛機構(IMDO)のパテル理事は、人工知能(AI)技術を統合した次期迎撃弾アロー4が量産体制の最終段階にあり、まもなく生産ラインに移行すると明らかにした。アロー4は民間企業イスラエル航空宇宙産業(IAI)と米国ボーイング社の共同開発により生産され、従来のアロー2を刷新する。IAIのレヴィーCEOによれば2017年に初期コンセプトが策定され、発射・状況確認・再迎撃を高速化するシュート・ルック・シュート能力の大幅向上を実現する設計となっている。 同時に、IAIの独自研究を基盤としたアロー5の大型開発計画も推進中だ。同弾もAI機能を搭載し、既存の宇宙空間迎撃が可能な最新鋭アロー3の代替ではなく、将来の戦闘における防空網の層を厚くすることを目的としている。パテル理事は、開発資金の一部をイスラエル自国の予算で賄い、米国ミサイル防衛局(MDA)との情報共有・協力を続ける方針を示した。 開発の背景には、イラン発射弾道ミサイルへの対抗でアローシステムが果たした決定的な役割がある。イスラエル当局者によると、2025年6月および同年早に行われた交戦において迎撃成功率は90%を超え、防空網の信頼性が国際的に高く評価された。この実績を踏まえ、ロシアのウクライナ侵攻を契機に弾道ミサイル防衛需要が高まる中東・欧州各国から注目が集まっている。現時点でドイツのみが輸出先であるものの、アローシステムの本格近代化は、イスラエルの防空戦略を強化するだけでなく、国際共同防衛産業における技術優位性をさらに固めるものとなる。
