AI発見の抗老化薬、来年人体実験へ
米国サウス・サンフランシスコの抗老化バイオ企業NewLimitは、AIが設計した肝臓再プログラミングmRNA療法を開発中だ。創業者兼CEOのジェイコブ・キンメル氏は、2012年ノーベル賞の山中因子が腫瘍化する課題を解決するため、細胞種を維持したまま加齢のみを逆転させる転写因子組み合わせをAIスクリーニングで特定した。内部AIシステムは文献と配列データを基に学習し、候補を従来比数百倍の速度で最適化した。 アルコール性肝損傷モデルでは、加齢マウスに単回投与したところ昏睡状態が若齢個体と同様になり、効果は数週間持続。死亡率も大幅に改善され、キンメル氏は測定器不要で明確な差が確認されたと報告。人源化肝臓マウスでの有効性確認を受け、開発スケジュールを前倒しした。 同社はFounders FundをリーダーとするシリーズCで4億3500万ドルを調達し、投後評価額約31億ドルとなった。2027年にオーストラリアで第I相臨床試験を開始する予定。対象は中等度の肝疾患患者。将来的には皮下注入への技術転換も視野に、腎臓内皮細胞や免疫T細胞を対象とした他管線の並行開発も進める。 キンメル氏は、AIファームと製薬大手の競争よりも協業が進むと指摘。1970年代の組換えDNA技術によるバイオベンチャー誕生の歴史を重ね合わせ、AIネイティブ企業と伝統製薬企業の分業構造が再編されると展望している。
