AIテストが乳がん再発を数時間で予測
乳がんの再発リスク予測を巡り、ニューヨーク大学(NYU)のKrzysztof J. Geras氏らによるAIテストが、数時間で結果を出せる画期的な手法として注目を集めている。研究結果は学術誌Nature Communicationsに掲載された。 従来のゲノム検査は高額かつ数週間を要し、検査済みの切除組織を破棄する必要性があった。これに対し、NYUチームは病理スライド画像と患者年齢、腫瘍ステージ、ホルモン受容体状態といった臨床データを統合したマルチモーダルAIを構築。自己教師あり学習DINOv2を採用し、手動ラベルに依存せずに病理組織の複雑な特徴を自動抽出する仕組みを実現した。 7カ国15の患者集団から収集した3,500人超のデータで検証した結果、統計的指標であるC指数とハザード比により高リスク群と低リスク群を高精度に区別した。特に三重陰性やHER2陽性など、従来のゲノム検査が確立されていない乳がんサブタイプにおいても高い予測性能を発揮した。Geras氏(AIがん診断企業Ataraxis AI共同創設者兼最高科学責任者)は、該テストが広く使用されるゲノム検査に匹敵または上回る精度を示し、結果は数時間以内に得られ、コスト削減と将来の追加検査に向けた組織保存が可能だと指摘した。 臨床現場での治療ガイドラインへの組み込みには、ランダム化比較試験によるさらなる検証が不可欠であるとしつつも、病理データとAIの融合が治療意思決定を大幅に加速させ、患者の個別化医療を推進する重要な進展であると評価している。
