メタ、超AI開発ラボで人材確保に本格参戦 計算力と大胆な挑戦が魅力
メタのスーパーアイの研究ラボ「Meta Superintelligence Labs(MSL)」の責任者であるアレクサンドル・ワン氏は、AI分野の優秀な人材を採用するための魅力的なピッチを明かした。彼が強調したのは、メタが「スーパーアイの実現に必要なすべての要素」を備えているという確信だ。その根拠は4つに集約される。第一に、膨大な計算資源(コンピューティングパワー)の確保。メタはAI開発の加速に伴い、今年の資本支出(CapEx)予算を660億ドルから720億ドルに引き上げ、数百億ドル規模の計算インフラ投資を可能にするビジネスモデルを持っていると説明した。 第二に、人材の質。ワン氏は、MSLのメンバーは「他のAIラボのトップ数%に位置する」人材だけを採用すると明言。チーム規模は約100人程度と、他社に比べて小さいが、その密度の高さが強みだと強調。マーク・ザッカーバーグCEOが「小さなチームで効率的な研究を進める」ことを重視している背景がある。 第三に、チームの構成。研究、製品開発、インフラの3本柱で組織化されており、内部メモでもその構造が共有されている。最後に、ワン氏が最も重視する「非常に大胆なアプローチ」。彼は「スーパーアイを世界中の誰もが使える形で実現する」と語り、メタの規模と事業基盤の強さを武器に、大規模な実用化を目指す構想を示した。 一方、メタはAI人材の採用を急ピッチで進めてきた。6月には、人材確保のために最大1億ドルの報奨金を支給。さらに、AI企業Scale AIの49%株式を143億ドルで取得し、ワン氏を含む優秀なチームを獲得した。しかし、先月にはAI部門の採用を一時停止する措置を取った。メタ側は「組織の再編と予算計画の見直し」と説明。同社は「採用の凍結」に加え、部門内での異動も制限しており、期間は未定とされている。この動きは、急成長から一歩引き、持続可能な研究体制の構築へと転換する兆しと見られている。
