フィリップス、AIで心臓弁修復のリアルタイムガイドを実現
2025年11月17日、オランダ・アムステルダム発—医療技術大手のフィリップス(Philips)は、心臓弁の修復手術にAIを活用する新技術「DeviceGuide」を発表した。このAI搭載ソリューションは、心臓が動いている状態で極小の修復装置をリアルタイムで追跡・可視化し、医師が3D空間で正確に操作できるよう支援する。同技術は、フィリップスの「EchoNavigator」プラットフォームに基づき、手術室にAIを直接導入。X線と超音波画像を統合し、動く心臓の中での装置位置と向きをリアルタイムで3Dモデル化し、医師の視覚的判断を強化する。 主な対象は、開胸手術が困難な高齢者や虚弱な患者に向けた「経カテーテル縁対縁修復(M-TEER)」手術。 mitral valve regurgitation(僧帽弁逆流)は世界で3500万人以上が罹患し、呼吸困難や疲労感、日常動作の制限を引き起こす。手術では太ももの血管から細い器具を挿入し、心臓内を進みながら弁の葉を補修する。この過程では、複数の画像モニターを確認し、2人の医師が協働して精密な操作を行う必要があり、高度な経験と集中力が求められる。 DeviceGuideは、AIアルゴリズムが装置の動きを自動追跡。リアルタイムで3Dモデルを生成し、医師に「装置がどこにあり、どの方向を向いているか」を明確に提示。これにより、装置の位置調整や補修の確認がより確実になり、手術の安全性と効率が向上する。フィリップスの医療責任者アトゥル・グプタ氏は「AIは医師の判断を補完する『第二の目』。専門性を強化するものであり、代替ではない」と強調。 この技術は、心臓弁修復機器メーカーのエドワーズ・ライフサイエンスと共同開発。医療画像と治療技術の融合により、手術プロセス全体の最適化を実現。エドワーズのマーカス・ストーフェルス氏は「AIを画像ガイド治療に組み込む新しいモデルが、今後の心疾患治療の基盤になる」と期待を述べた。 DeviceGuideは2025年11月16日から18日までロンドンで開催される「London Valves 2025」で初公開され、今後のAI医療の進化を示す重要な一歩と注目されている。
