OpenAI 9ヶ月で初AIチップ開発完了
OpenAIは6月24日、初となる自研AI推論用プロセッサ「Jalapeño」の発表および試作チップの引渡式を開催した。設計からTSMC製3nmウェーハ完成まで約9カ月で完了し、高性能半導体開発史上最速のペースを記録した。この短期化には、AIモデルを設計工程に統合した手法と、元Google TPUエンジニアのRichard Ho氏が率いる専門チームの存在が寄与した。 Jalapeñoはパルスアレイ構造と高帯域幅メモリを搭載した専用ASIC。データ転送最適化により演算利用率を理論上限に近づけ、エネルギー効率において既存最上位GPUを大幅に上回るとOpenAIは主張。博通CEOはNVIDIA BlackwellやGoogle TPUと同等性能であり、推論コストが約50%削減可能と評価したが、詳細仕様は別途公開される。 同プロジェクトはNVIDIA依存の回避とインフラのフルスタック制御を目的とする。Celestica製サーバーに搭載され、2026年末に小規模展開、2027年以降本格運用、2028年半ばに全量稼働を見込む。総消費電力は10GW規模と試算され、内部利用に限定する。 一方、Google TPUやAWS Trainium、Microsoft Maiaが市場を成熟させる中、専用ASICの柔軟性不足や巨大ソフトウェアスタック構築の課題が残る。OpenAIは年次アップデートを計画しており、半導体自給率の向上とAIインフラ競争の構造変革が問われる局面となっている。
