マスク、1兆ドル報酬案を擁護「プロキシファームは企業テロリスト」
エロン・マスク氏は、テスラの第2四半期決算発表会の最後の数分間、自身の提案する1兆ドル規模の報酬計画について激しい反論を展開した。マスク氏は、この報酬を「報酬」と呼ぶことすら不快だとし、実際の目的はテスラのAI、ロボタクシー、人型ロボットの次世代戦略を主導するための「意思決定力」の維持にあると強調した。彼は、国際的な代理投票会社「ISS」と「Glass Lewis」を「企業テロリスト」と呼称し、これらが株主の意思決定を不正に左右していると非難した。 マスク氏は、テスラの意思決定に「中位20%台」の議決権を確保する必要があると説明。これにより、会社の長期戦略に強い影響力を保ちつつ、極端な行動を取った場合に解任される可能性も残すと述べた。この報酬計画は、テスラの時価総額を8.5兆ドルまで引き上げ、12の業務目標(1200万台の車両販売、100万台の人型ロボット、100万台のロボタクシー、2024年の調整利益を166億ドルから4000億ドルまで拡大)を達成した場合、最大1兆ドルの株式報酬が支給される内容。マスク氏の保有株比率は現行13%から最大29%まで上昇し、会社の支配力が大幅に強化される。 テスラの経営陣は、11月6日の株主投票でこの計画を可決するよう呼びかけている。一方、ISSとGlass Lewisは、この報酬案に反対を表明。投資ファンドがこれら代理会社に投票権を委任している点を問題視し、実質的な株主資格を持たない機関が株主利益に反する政治的立場で投票していると批判した。マスク氏はX(旧Twitter)で、こうした会社が「投資アドバイザーとして登録されるべきだ」と主張。その影響力は「無関係な政治的立場」に基づくものであり、法的にも疑問があると断言した。 この報酬問題は2023年から続いている。当初の2018年報酬計画(約560億ドル)は、デラウェア州の裁判所が「マスクの影響が過剰」と判断し、無効とされた。その後、株主投票で再承認を図ったが、2024年6月に可決された。しかし、一部の批評家は、マスク氏に過剰な権限を与える一方、責任の所在が不明確であると指摘。AIや人型ロボットへの注力が、EV事業の本質に集中するのを妨げているとの懸念も広がっている。
