ルメンタム、AI光通信受注5年先まで確認株価10倍上昇
AIデータセンターの急拡大に伴い、光通信分野の業界最大手Lumentum Holdingsの業績と株価が飛躍的に伸長している。2025年6月から2026年5月にかけて株価は80ドルから約1,085ドルへ約10倍に上昇し、時価総額は60億ドルから700億ドル超へと拡大した。マイケル・ハーラストンCEOは受注残高が今後4〜5年にわたることを明らかにし、需要減速の兆候はないと指摘した。2026年3月期の四半期売上高は過去最高を記録し、管理層は単四半期20億ドル規模への成長を試算する。 この伸長は、AIクラスター規模の拡大に伴うデータセンター内部ネットワークの高度化に起因する。800Gbpsや1.6Tbpsへの帯域拡大により、従来主力だった銅ケーブルが信号劣化と発熱の課題に直面し、光ファイバーへの代替が必須へ移行している。専門機関の推計では、2026年のAI対応光モジュール市場は前年比60%増となる見込みだ。 供給のボトルネックは伝送路ではなく、光信号を発生させるレーザーチップ(EMLやCWレーザー)にある。InP材料を用いたレーザー製造は設計とプロセスの密接な結合が不可欠で、増産には約2年を要する。LumentumはEML市場で約6割のシェアを維持し、次世代1.6Tモジュールに必要な200G EMLの生産を加速させている。 需給ひっ迫を懸念した主要テック企業はサプライチェーン確保に動いている。NVIDIAは2026年3月と5月、Lumentum、Coherent、Marvell、Corningへ合計65億ドル以上の資本投資と長期調達契約を締結し、光源から光ファイバーまで全階層を早期に固定化した。技術トレンドは従来型の差込みモジュールから、電力消費を大幅に削減する共封装光学(CPO)や光路交換機(OCS)へ移行しつつある。 市場評価は楽観的だが、課題は少ない。超高額な設備投資の正常稼働、2026年後半から2027年にかけての需要ピーク管理、そして超大手クライアントの資本支出ペース維持が、現在の株価上昇と高バリュエーションを裏付ける鍵となる。AIインフラの中枢として光通信が再評価されたこの循環は、単なる一過性のブームではなく、インフラ構造の長期的転換点である。
