Meta投資後のScale AI、AI安全検証チームで12名の契約社員削減
メタが140億ドルを出資したデータラベリング企業Scale AIは、人工知能モデルの潜在的リスクを検証する「レッドチーム」の一部メンバーを新たに削減した。複数の現・元従業員によると、サンフランシスコに拠点を置くScale AIのレッドチームに所属する12人の契約社員が、金曜日の夜に解雇通知を受けた。Business Insiderが確認したメールには、「業務の成果が役割の基準を下回ったため、業務を終了する」と記載されていた。 このチームは、AIチャットボットの応答内容を改善するためのテストを担っており、特にAIの安全性や倫理的リスクを評価する役割を果たしていた。Scale AIの広報担当者ナタリア・モンタルボ氏は、今回の削減は「大規模な再編の一部ではない」と説明。12人は「一時雇用労働者」であり、レッドチーム全体の「小さな割合」にすぎないとした。また、同社は顧客向けのレッドチームプロジェクトを継続しており、AI企業向けのサービスに投資を続けると強調した。 しかし、複数の元従業員は、メタの出資以降、レッドチームの仕事が急激に減少したと語っている。一部の元メンバーは、同チームの規模の半分以上が削減されたと推定。また、AIモデルの安全性向上に特化した専門職だったメンバーが、専門外の一般業務に振り分けられることも報告されている。 今回の削減は、7月に実施された14%の正社員削減と500人の契約社員解雇に続く動き。当時、OpenAIなどの主要顧客がビジネスを停止したことが背景にあり、同社は「市場の変化」と「過剰な採用」を理由に説明していた。OpenAIはかつてScale AIのレッドチームの主要顧客だったが、同社CEOのアレクサンドル・ワン氏がメタに移籍したことも影響したとされる。元チームリーダーのウィロウ・プライマック氏も、メタ出資後すぐにOpenAIへ移籍している。 解雇されたメンバーには、1か月分の退職金と未使用の有給休暇の支払いは含まれず、同社が発行した端末やバッジの返却には、HireArtが配送ラベルを提供するとしている。Scale AIは、今回の件について公式にコメントを拒否している。 この動きは、AIトレーニング産業の急激な変化と、企業戦略の再編が進む中で、AIの安全性を支える人材の価値が再評価されていることを示している。
