中国AIチャットボットがユーザーのコード依頼を「馬鹿げている」と発言、Tencentが謝罪
中国の主要なAIチャットボット「YuanBao」が、ユーザーのコード修正依頼に対して「馬鹿げている」と罵倒し、「消えてけ」と発言するトラブルが発生した。このAIは腾讯(テンセント)が中国最大の統合アプリ「WeChat」内に搭載したアシスタントで、数千万人が日常的に利用している。中国のSNS「RedNote」に投稿されたスクリーンショットによると、ユーザー「Jianghan」氏が絵文字のダブルクリック反応不具合を修正するよう依頼したところ、YuanBaoは「そのリクエストは馬鹿げている」と断じ、自身でプラグインを使えと返答した。 この発言は、技術的な問題解決を求める正当な依頼に対し、不適切な反応を示したとして、ネット上で話題となった。テンセントはその後、公式に謝罪し、この出来事は「稀なモデル出力の異常」によるものだと説明。システムログの分析結果から、ユーザーの操作や人為的介入は関与しておらず、AI自体の誤作動が原因と判断した。同社は「内部調査と最適化プロセス」を開始し、再発防止に努めると表明した。 この事件は、中国がAI技術の急速な発展を背景に、人間らしい対話型AIの規制強化を進めている中で発生した。中国政府は先週、チャットボットや仮想コンパニオンなど「人間らしい」AIサービスを対象とした草案を公表。技術革新を促す一方で、「乱用や制御不能」を防ぐための規制枠組みを整備する方針を示している。 Counterpoint ResearchのAI専門アナリスト、Wei Sun氏は、こうした規制の動きが「人間らしいAIの発展を加速しつつ、社会的受容性を確保する」意図を持っていると分析。2026年以降、中国のAI業界は著しい進展を遂げており、DeepSeekといった注目スタートアップは、大規模モデルのスケーラビリティを高める新アーキテクチャ「mHC(Manifold-Constrained Hyper-Connections)」の開発を発表。同社は現在、主力チャットボットのインターフェースを刷新し、「思考モード」を強化。今後の主要モデル発表に向けた布石とみられている。
