メタ、在庫制限と米国需要を理由にレイバンディスプレイグラスの全球展開を延期
Meta Platformsは2024年10月15日、自社のスマートグラス「Ray-Ban Display」の国際展開を延期すると発表した。同社は、米国市場での「前例のない」需要の高まりと、在庫不足の影響により、英国、フランス、イタリア、カナダへの早期展開を一時中止すると説明した。Metaは、昨年秋に発売を開始して以来、同製品への関心が「圧倒的」で、注文リストが2026年まで遡る状態にまでなっていると報告。このため、国際展開の計画を一時停止し、在庫の再調整と米国市場の対応に集中する方針を取っている。 Ray-Ban Displayは、Metaが2019年からレイバンの製造元であるエシルルクティカ(EssilorLuxottica)と共同開発してきたスマートグラスの最新作。2024年9月にマーク・ザッカーバーグCEOが発表した同製品は、Meta初の本格的なAI搭載スマートグラスとして注目を集めた。価格は799ドル(約12万円)、動画視聴やメッセージへの応答が可能で、腕に装着するワイヤレスコントロールバンドと神経技術(neural technology)を用いて操作される。この技術により、ユーザーは視線や微細な筋肉の動きで操作を実現する。 エシルルクティカは2024年10月、第3四半期の収益増加の要因の一つとして、Metaとの提携が貢献したと公表。このパートナーシップは2024年に長期契約で更新されており、両社の協力関係は今後も強化される見通しである。スマートグラス市場は、Metaに加え、アルファベット(Google)やOpenAI、Appleなど、主要テック企業が参入を加速している。5月にはアルファベットがWarby Parkerと1億5000万ドルの提携を発表。一方、OpenAIはAppleと共同でAI搭載グラスの開発を検討していると報じられており、AIとウェアラブルデバイスの融合が急速に進んでいる。 このように、MetaのRay-Ban Displayの展開延期は、単なる在庫問題にとどまらず、スマートグラス市場の本格的な始動を示すサインでもある。消費者の期待が高まる一方で、供給体制の整備が課題となっており、技術の進化と市場の成熟が並行して進む必要がある。専門家は、「AI搭載ウェアラブルデバイスの普及には、信頼性と使いやすさの両立が不可欠。Metaの展開延期は、品質と供給のバランスを取るための慎重な判断」と評価している。今後の国際展開のタイミングと、他社との競争状況が、次世代ウェアラブル技術の方向性を左右するだろう。
