アルファベット、Xラボが「月刊プロジェクト」を独立企業化へ転換 新ファンド「Series X Capital」が支援
アルファベット傘下の「X」 moonshot工場が、 ambitiousな技術プロジェクトの立ち上げ方を大きく変える動きを見せている。Xのトップ、アストロ・テラー氏は、TechCrunch Disruptで「プロジェクトをアルファベットの傘下にとどめるのではなく、独立企業としてスピンアウトする」戦略を明らかにした。その鍵となるのが、Xのスピンアウト企業にのみ投資する専門ファンド「Series X Capital」。同ファンドは5億ドル以上を調達し、元YouTube幹部で元フェイスブックCFOのギデオン・ユ氏が運営。アルファベットはこのファンドの少数出資者にとどまり、完全に内包するのではなく、独立性を保つ構造を取っている。 Xは「月の裏側」に挑むような大規模な課題に取り組む「ムーンショット」を定義している。具体的には、世界規模の大きな問題に取り組み、画期的な技術で解決策を提示し、その実現可能性に「希望の光」があること。そして、そのアイデアが「ありふれていて合理的」だと感じられれば、それは「ムーンショット」ではないとテラー氏は強調する。 Xでは、アイデアは「殺す理由」を探るほど厳しく検証される。わずかな費用で実験し、そのアイデアが「予想よりさらに狂っている」か「それほど狂ってない」かを判断。その結果、失敗の可能性が高いと判断されれば、即座に中止。このプロセスを成功させるため、テラー氏は「プロジェクトの発起者自身がそのアイデアに執着しない」ことが重要だと説明。彼は「誰が最初に提案したか」を知らなくてもよいとし、感情的な拘束を避けるための設計だという。 スピンアウトした社員には、新会社の株式が与えられ、起業と同等のリターンが得られる。ただし、X在籍中は早期段階のプロジェクトに株式は与えず、財務的リスクを回避。これにより、アイデアを「自分の命運」に結びつけず、客観的に評価できる環境を整えている。 2025年には、無線光通信のTaaraと、AIを活用した作物育種のHeritable Agricultureがスピンアウト。また、AIを活用した建築開発支援プラットフォーム「Anori」も新設された。テラー氏は、建築環境が世界の25%の廃棄物と二酸化炭素排出を占めるなど、極めて大きな社会的影響を持つことから、この分野が「ムーンショット」にふさわしいと説明。 Xの戦略は、大規模な技術革新を「アルファベットの枠」にとらえず、独立性とスピードを重視する、新時代のイノベーションモデルの可能性を示している。
