ティム・クックがAI分野でのM&Aを検討すると表明、Apple Intelligenceに新たなAIが続々登場へ
Appleのティム・クックCEOは、2025年第四四半期の決算発表会議で、AI分野でのM&A(合併・買収)や提携の可能性を示唆し、同社のAI戦略の柔軟性を強調した。同社は2026年にAI搭載型Siriの新バージョンを発表する予定で、クック氏は「順調に進捗しており、来年中にリリースする予定」と述べた。このAI対応Siriは、Appleが独自に開発する基盤モデル(Foundation Model)と、外部の大規模言語モデル(LLM)との連携、さらには戦略的買収を組み合わせる「三本柱」アプローチを継続していると明言。特に、買収については「市場を常に注視しており、戦略的に進める価値があると判断すれば、積極的に検討する」と語り、AI技術の早期獲得への意欲を示した。 また、クック氏は、OpenAIとの提携に続く新たなAIパートナーシップの発表を予告。既にChatGPTをSiriに統合する「Apple Intelligence」を実装しており、今後はGoogleのGeminiなど他の主要モデルとの連携も視野に入れていると述べた。これは、2024年にカリー・フェデリギ氏が「将来的に異なるモデルとの統合も検討する」と語った発言と一致しており、Appleが多様なAI技術を柔軟に取り入れる姿勢を示している。 技術面では、Appleは「Private Cloud Compute(プライベートクラウドコンピューティング)」という独自のクラウドAI処理システムを構築。この仕組みは、ユーザーのデータをプライベートな環境で処理する設計で、プライバシー保護を重視。クック氏は、既に多数のSiriクエリでこの技術が活用されており、テキサス州ヒューストンの新設サーバー工場で製造された専用サーバーがデータセンターに導入され、段階的に拡張されていると報告。このインフラの強化は、AI機能のスケーラビリティとセキュリティを支える基盤となる。 経済面では、Appleは四半期売上高1025億ドル(約15兆円)を記録し、前年比8%増の歴史的高水準を達成。iPhoneの売上は490億3000万ドルで、iPhone 17シリーズの販売が貢献。特に、従来Proモデルに限られていた「常時表示+ProMotion」機能が、新登場の「iPhone Air」(史上最薄)に搭載され、エントリーモデルのAI・UX水準を一新。Macは87億2000万ドル、iPadは69億5000万ドルの収益を記録。サービス部門(Apple TV+、Apple Music、Fitness Plusなど)は288億ドルと、収益の約28%を占め、AIの統合が今後の成長の鍵になるとみられる。 クック氏は、AIが消費者のスマートフォン購入意思決定の要因になりつつあると指摘。「Apple Intelligenceは既に影響を与え、今後さらにその重要性が高まる」とし、AIは単なる付加価値ではなく、製品の差別化と顧客ロイヤルティの源泉になると強調。Appleは、自社開発と外部連携の両軸でAI戦略を推進。2026年のSiri刷新と、継続的なパートナーシップ拡大が、次世代のエコシステム構築のカギを握る。
