百科事典大手がPerplexityAIを提訴 著作権侵害と収益損失を理由に
アントロピックが15億ドルの和解金を支払ったことを受け、出版業界の法的対抗が加速している。先週、百科事典『ブリタニカ』と『メリヤム・ウェーバー』を擁するブリタニカ・グループが、AI情報検索エンジン「パープレキシティ」を相手に著作権および商標権侵害の訴訟を提起した。ニューヨーク連邦裁判所に提出された訴状は、パープレキシティが同社のコンテンツを無断で収集・再利用し、ユーザーにその内容をそのまま提示していると指摘。特に、検索結果として提供される要約が、ブリタニカのオリジナル記事をほぼそのまま転用しており、本来のウェブサイトへのアクセスを奪っていると主張している。 パープレキシティは2022年に設立され、「情報探索と好奇心のためのAI搭載マルチツール」と自負。2023年8月には、グーグルのChromeブラウザを345億ドルで買収しようとする大規模な買収提案を発表し注目を集めた。同社の特徴は、ウェブ全体から情報を収集し、ユーザーの質問に即座に簡潔な要約を提示する「回答エンジン」の構造にある。 ブリタニカグループのジョルジュ・コーズCEOは声明で、「パープレキシティは『世界初の回答エンジン』と謳っているが、実際の答えの多くはブリタニカのものだ」と強調。また、同社は2023年にルパート・マードック氏傘下のドウ・ジョーンズ(『ウォール・ストリート・ジャーナル』など)から同様の訴訟を受けているが、今回の訴訟はアントロピックが15億ドルの和解に至った直後というタイミングで提起された点で、業界全体に大きな影響を与える可能性がある。 ブリタニカは、パープレキシティが自社のコンテンツを無断でスクラップし、AIによる誤情報(ハルシネーション)を混入させることでブランドの信頼性を損ねたと訴え、著作権法と商標法の違反を主張。さらに、自社の収益基盤である会員制サービスと広告収入は、長年のコンテンツ投資に支えられているとし、パープレキシティがその投資成果を「無料で利用している」と批判している。同社は、未定の金銭賠償と、今後のコンテンツ使用の禁止を求めており、パープレキシティはコメントを控えている。
