OpenAI、約7500億ドルの評価額で数十億ドルの資金調達を検討
OpenAIが約7500億ドルの評価額で資金調達を検討していることが、米メディア『The Information』の報道で明らかになった。この動きは、同社が今後数か月以内に新たな資金調達を実施する可能性を示しており、すでに複数の投資家との初期交渉が進められているという。この評価額は、2023年時点での約2900億ドルから大きく上昇し、AI産業の急成長と同社の市場支配力の拡大を反映している。特に、GPT-4やChatGPTの商業的成功、企業向けAIソリューションの拡大、そして新規AIプラットフォームの開発が、投資家からの信頼を高めている要因とされている。 OpenAIは、2015年にサトヤ・ナデラやイーロン・マスクらが設立した非営利組織として始まり、2019年以降は「OpenAI LP」として営利活動を本格化。2023年にはマイクロソフトと戦略的提携し、マイクロソフトが同社に約100億ドルを出資。この提携により、マイクロソフトは同社のAI技術を自社のクラウドサービス(Azure)に統合し、AI時代のインフラを築く戦略を進めている。今回の資金調達は、同提携の拡大と並行して、AI開発のスピードをさらに加速させるためのものと見られている。 この資金調達の主な目的は、人間の知能に近いAI(AGI)の実現に向けた研究開発の強化、大規模な計算リソースの拡充、そして新規事業分野への進出である。特に、AIが医療、教育、金融、製造など多様な分野に応用される中で、OpenAIは「AIの安全な発展」を掲げながらも、ビジネスの規模拡大に注力する姿勢を示している。また、2024年にはGPT-5の開発が本格化する見通しで、その開発に向けた人材の確保やハードウェアインフラの整備が急務となっている。 この報道に対し、業界の専門家は「OpenAIの評価額の急上昇は、AI技術が経済的・社会的インパクトを持つ分野にシフトした証拠だ」と指摘。一方で、AIの倫理的リスクや独占的支配の懸念も高まっており、欧州連合(EU)の「AI法案」や米国政府の規制動向が注目されている。特に、OpenAIが大規模な資金を調達する中で、透明性と規制遵守のあり方が問われるようになっている。 OpenAIは、今後数週間以内に投資家との交渉を本格化させる予定。調達額は100億~200億ドル規模と予想されており、この資金は2025年以降のAI開発戦略の土台となる。同社の今後の動向は、AI産業全体の方向性を左右する重要なシグナルとなる。
