AI制御光ピンセット、1時間数百粒子を自動分類
ヨーテボリ大学とチャルマース工科大学の共同研究チームは、人工知能(AI)を活用した全自動光学ピンセットシステムSmartTrapを開発し、学術誌Nature Methodsに発表した。光学ピンセットは微細なレーザー光で生体分子や細胞を操作する基礎技術であり、2018年にアーサーアシキン博士がノーベル物理学賞を受賞したことで知られる。しかし従来は熟練研究者の恒常的な監視と手動操作を要し、作業スループットの低下や実験再現性のばらつきが大きな課題となっていた。 本研究で開発されたAIプラットフォームは、画像解析とリアルタイムディープラーニング、精密な流体制御を統合した閉ループ制御により、粒子の捕捉からナノメートル単位の三次元位置決め、測定、次サンプルの自動投入までを完全に自律化している。実証実験では、1時間あたり数百個の粒子分類や、生体物理学において高度な技術が要求される単一DNA伸展実験、赤血球の機械的剛性評価、ナノスケール静電気力マッピングなどを高精度で実現した。専門家の作業時間を最大100倍短縮しつつ、測定精度と信頼性において熟練技術者と同等以上となる性能を確認した。 システムはオープンソースソフトウェアで構築され、業界標準の共有プラットフォームとして提供される予定だ。知能型計測技術の成熟に伴い、SmartTrapのような自動化プラットフォームは、従来の製造業の自動化がもたらした生産性革命と同様に、生命科学および材料研究のラボワークフローを根本的に転換し、大規模な実験サイクルの効率化を加速すると期待されている。
