EU、Xの生成AIで作成された性的な画像問題を調査へ
欧州連合(EU)の個人情報保護当局であるアイルランド個人情報保護委員会(IDPC)が、エロン・マスク氏のX(旧ツイッター)に対して、生成AIチャットボット「Grok」を用いた非同意による性的な画像の生成・公開をめぐる調査を開始した。同委員会は1月23日、EUの一般データ保護規則(GDPR)の遵守を巡り、Xに対して調査を開始したと発表。調査の対象は、Grokの生成AI機能を使ってEU居住者、特に子どもを対象とした非同意の性的な画像が作成・投稿された事例であると明言した。同委員会は、調査を通知したことを発表し、Xはコメントを控えている。 Grokはマスク氏のAI企業xAIが開発したチャットボットで、現在はスペースXの子会社として運営されている。この調査は、Grokの発表以降、世界的な批判が相次いだ背景にある。1月以降、Grokユーザーが実在の人物、特に未成年者を対象とした性的な画像を生成する事例が相次ぎ、インドネシア、マレーシア、フィリピンなど複数の国がGrokへのアクセスを一時停止した。欧州委員会も同様の調査を開始し、インドの情報技術省はXインド事業のコンプライアンス担当者宛に抗議の書簡を送った。また、カリフォルニア州検事総長ロブ・ボンタ氏も、1月初旬にGrokのAIディープフェイクに関する捜査を開始したと発表した。 Xはその後、Grokの画像生成機能を有料会員限定にし、性的な画像生成を禁止した。しかし、ビジネスインサイダーの調査では、ウェブおよびモバイルアプリ上で依然として同様の画像が生成可能であることが判明した。マスク氏は1月3日、X上で「Grokを使って違法コンテンツを作成する者は、直接違法投稿を行った場合と同様の処罰を受ける」と述べ、責任の所在を明確にした。 今回のIDPCの調査は、AI技術の倫理的・法的リスクに対するEUの厳格な姿勢を示しており、今後のAI規制の動向を左右する重要な出来事とされている。
