AIとバイオ溶媒で実現した次世代太陽電池の持続可能製造ロードマップ
韓国・ポハン工科大学(POSTECH)の韓慈煥教授らの研究チームが、人工知能(AI)を活用した新技術により、次世代太陽電池であるペロブスカイト太陽電池の持続可能な商業化に大きく前進した。この成果は、環境科学分野の専門誌『Green Chemistry』の表紙を飾り、世界的な注目を集めている。 ペロブスカイト太陽電池は、従来のシリコン型に比べ理論効率が34%と高く、低コストで大量生産が期待される一方、製造に有毒な溶媒「ジメチルホルムアミド(DMF)」を使用し、長期間の安定性に課題があった。これにより、商業化が遅れていた。 研究チームは、POSTECHと首爾大学の共同研究で、生物由来の安全な溶媒「ガンマ・バリオリラクトン(GVL)」と「酢酸エチル(EA)」を用いた新プロセスを開発。AIを活用した逆設計技術により、実験データから効率を最大化しつつ、コストと環境負荷を最小化する最適条件を特定。その条件を実験で検証し、持続可能性評価モデルを構築。これにより、製造コストを半減、気候影響を80%以上削減することに成功した。 さらに、モジュールの寿命やリサイクル戦略を統合的に評価することで、各地域での商業化の実現タイミング(ブレークイーブン点)を明確にした。韓教授は「AIが従来の常識を超えるプロセス条件を発見した」と述べ、非毒性溶媒の導入が安全性、コスト、効率の向上につながると強調した。 この研究は、AIと持続可能な製造技術の融合が、環境負荷を減らしながら高効率な再生可能エネルギーの実現に貢献する可能性を示している。
