宇宙台風AI識別・位置特定手法開発
宇宙空間における磁気圏・電離圏現象である宇宙台風は、巨大なオーロラ光斑、プラズマ対流渦旋、風速がゼロの台風の目、高エネルギー電子降下、電子温度上昇、イオン上向流などの独特な構造を有する。従来の検出は人工による衛星画像の手動判読に依存しており、処理効率の低さと主観的バイアスが課題であった。 このほど、中国科学院国家空間科学センター等を主体とする研究チームが、深層学習を活用した宇宙台風の自動識別と高精度定位手法を新たに確立した。研究チームは2005年から2021年にかけてのDMSP衛星による遠紫外線オーロラ観測画像30万枚を解析し、570例の宇宙台風イベントを正サンプルとして抽出した。学習の精度向上のため、形状が類似する難易度の高い負サンプルを同数組み合わせ、複雑なオーロラ環境におけるモデルのロバスト性と汎用性を大幅に高めた。 複数の主流ディープラーニングアーキテクチャを比較検討した後、転移学習、体系的なハイパーパラメータ最適化、動的学習率スケジューリングを組み合わせ、各モデルの性能限界を引き出した。特に位置特定にはYOLOv8フレームワークを採用し、識別精度0.92、適合率0.99、再現率0.92という高い数値記録を達成した。 本成果を受け、研究チームはマルチソースデータ入力やリアルタイム検出、結果エクスポート機能を備えた可視化対話型自動検出システムを構築した。本研究は極域空間天気モデルの高度化や災害リスク評価の基盤技術として期待され、学術誌Space Weatherに掲載された。本調査は国家自然科学基金及び子午工程等の助成により実施された。
