データラベリングに反発するSurge AI CEOの本音:「AIの育成は、人間の価値観を教えること」
Surge AIのCEOであるエドウィン・チェン氏は、「データラベリング」という用語が気に入らないと明かした。同社を2020年に設立したチェン氏は、この言葉が単なる「猫の写真を分類する」や「車の周囲に枠を描く」など、単調な作業に限定して捉えられがちな点に懸念を示す。彼は、Lenny Rachitskyのポッドキャストで「この言葉は、私たちが行っている本質的な仕事の複雑さを歪めて描いている」と語った。 チェン氏は、Google、Twitter、Metaで勤務する経験を経て、AIの基盤となるデータの質の重要性を深く理解している。Surge AIはScale AIやMercorと競合するAIデータラベリング企業であり、アントロピックと提携し、フリーランスの「グーストワーカー」がAIモデルの学習に貢献できるプラットフォーム「DataAnnotation.tech」を運営している。こうした労働者は、AIの発展に不可欠な存在ながら、その存在はしばしば見えない。 しかし、チェン氏はこの作業を単なる「作業」ではなく、人間の育成にたとえる。彼は「私たちは、AIに『価値観』や『創造性』、『美しさ』といった、人間らしさの本質を教える」と述べ、AIの育成は「子を育てる」ことと同様の深いプロセスだと強調した。Surge AIの公式サイトには「ヘミングウェイ、カフカ、フォン・ノイマンが非凡だったのは何故か?」という問いが掲げられ、人間の経験が知性を生み出すのと同様に、データがAIに「知性」をもたらすと説明している。 また、自身の起業経験について、チェン氏は「起業すれば、自分を変える必要がある」と思い込んでいたと振り返る。大手テック企業で働いていた経験から、経営者としての「会議や資金調達、SNS発信」に辟易していたが、Surge AIを立ち上げてみた結果、そのような「ありきたりな起業像」は必要なかったと語る。彼は「自分を偽らなくても、優れた製品をつくるだけで成功できる」とし、「もしこのことが分かっていれば、もっと早く起業したはずだ」と語った。
