グーグル、宇宙データセンター実現にスターシップ1600回打ち上げ必要
ゴーグルはカリフォルニア州よりSpaceXのロケットを用い、軌道上計算機衛星のプロトタイプを打ち上げた。テック企業として初めてTPUを宇宙に配備する本試みは、Planet Labs製の衛星プラットフォームを活用し、実環境での電力供給・冷却・演算耐久性を検証する目的で行われる。プロジェクトSuncatcherを統括するTravis Beals執行役は、地上試験では再現困難な本番環境での実証が不可欠だと強調する。衛星は熱・電力制約を考慮し、15分間のバースト運転でTPUを稼働させる。 今後は2025年、レーザー通信リンクによる協調演算を目指す専用実証衛星の打上げを計画している。中長期的には81機による緊密編隊運行と並列処理による大規模ワークロードの対応を目指す。同時に、学術誌Jouleに宇宙データセンターに関する白書を公開。SpaceXのロケットコスト年率20%低下傾向を前提に、2035年までに輸送コストをキログラム当たり200ドル水準に引き下げる試算を示した。その実現にはStarshipが年間約180回、総計1600回以上の打上げが必要との分析を提示している。 宇宙放射線環境下の耐性テストでは、想定以上のシールド不足によりエラー率が若干上昇したものの、推論処理における誤り率は100万分の1と実用域内だと結論づけた。ただし、数千チップを長期稼働させる大規模学習では課題が残るとしている。既存の宇宙AIプロジェクトとは異なり、現在の需要ではなく数年後のインフラ基盤を見据えた長期戦略として位置づけ、技術的検証と経済的実現性の双方から軌道データセンターの実現ロードマップを提示した。
