AIがオンライン広告とショッピングを変革、GoogleがAIモードで会話型検索と広告を導入
Googleは、生成AIの台頭によって変化する検索行動に応じて、自社の検索プラットフォームと広告ビジネスの再構築を加速している。従来のキーワード中心の検索から、ユーザーがより具体的で自然な表現で質問する「会話型検索」へと移行する中、検索から購入までのプロセスが大幅に短縮されている。この「検索ファネルの縮小」は、Googleにとって課題であると同時に、新たな機会でもある。特に、広告収益の根幹を成す検索広告ビジネスに深刻な影響を及ぼす可能性があるため、同社はAIモード(AI Mode)の進化に伴い、検索とショッピングの統合を図っている。 その一環として、Googleは「vibe shopping」と呼ぶ新しいショッピング体験を導入。ユーザーは「50ドル未満で、サイズ12の単一ポケット付きのワインレッドシャツ」といった、従来の検索では考えられなかったほど具体的な要件を自然な言葉で入力できる。AIはこうした複雑なリクエストを理解し、複数の候補を提示した上で、製品間の比較も自動で行える。この変化により、ユーザーの検索クエリの長さは従来の2〜3倍にまで伸びており、検索から購入までの距離が著しく短くなっている。Google広告・コマース部門のバイスプレジデント、ビドヤ・スリニヴァサン氏は「人々は自然に話すように、直感的に表現する。それがvibe shoppingの本質だ」と説明。従来のキーワード駆動型から、人間らしい対話型へとシフトしている。 一方で、こうした変化は広告主にとっても大きな挑戦をもたらす。従来の「キーワード戦略」が通用しなくなり、ユーザーの意思決定プロセスが早期に始まり、予測が難しくなっている。Googleはこの課題に対応するため、広告主向けの「エージェントツール」を発表。このツールは、ユーザーの行動をリアルタイムで追跡・分析し、広告キャンペーンの自動最適化と、効果の可視化を可能にする。グローバル広告担当のダン・テイラー氏は「広告主は、購入の前段階でGoogleに登場するようになった。これは機会だが、『どんなキーワードで対応すればよいか』が不透明になる」と指摘。しかし、AIがユーザーの意図を読み取る力が高まれば、より的確なターゲティングが可能になると期待している。 さらに、Googleは「エージェントチェックアウト」機能も発表。ユーザーが希望価格を設定すると、AIがWeb全体を監視し、その価格に下がった商品を自動で購入する仕組みだ。これにより、ユーザーの利便性は飛躍的に向上するが、同時に、広告主は「価格戦略」の再考と、AIとの協調戦略の構築が不可欠となる。 Googleにとって、AI時代の検索は「単なる情報取得」から「意思決定のパートナー」へと進化している。この変化に適応できるかが、今後の収益基盤を左右する。
