OpenAI、削除済みチャットの保存義務から解放へ—法廷が命令を解除
米国連邦裁判所が、OpenAIに削除されたチャットログの保存を強制するという争议を引き起こした判決を破棄した。この決定により、同社はユーザーが削除した対話履歴を保存する義務から解放された。同判決は、2023年12月に米国連邦裁判所が下したもので、OpenAIがユーザーの個人情報を保護するための削除機能を不正に運用しているとし、削除されたデータも保存するよう命じていた。しかし、2024年4月、上訴裁判所がこの命令を覆し、「ユーザーのプライバシー権を守るための削除機能の有効性が損なわれることを防ぐ必要がある」と判断した。 この判決の背景には、OpenAIがユーザーのデータを保存する方針を強調する一方で、削除された情報の完全な消去が可能であると公表していた点がある。裁判所は、企業がユーザーの削除依頼に応じない場合、プライバシーの侵害にあたると判断した。 現在、OpenAIは削除されたチャットログを保存しない方針を維持している。ただし、一部のユーザーからは、削除後にデータが残っている可能性があるとの報告が寄せられており、実際の処理状況には不透明さが残っている。同社は「削除依頼は即時に処理され、バックエンドに残りません」と公式に説明しているが、技術的な不具合やシステムの遅延が原因で一部のデータが一時的に残るケースも確認されている。 この裁判所の決定は、AI企業がユーザーのプライバシー保護とデータ管理のバランスをどう取るか、新たな基準を示した。今後、同様の課題が法的争点となる可能性も高い。
