元グーグル系が創業したAI会話訓練スタートアップ「Yoodli」、估值3億ドル超へ急拡大
AIによるコミュニケーションスキル向上を支援するスタートアップ「Yoodli」が、6か月で評価額を3000万ドル以上にまで引き上げ、前回の資金調達から3倍以上に急成長した。同社は、AIが人間を置き換えるのではなく、人間の能力を補完する仕組みを重視している。2021年に元グーグルのX部門でプロジェクトを担当していたヴァルン・プリ氏と、元アップルエンジニアのエシャ・ジョシー氏が共同創業。プリ氏は自身がインドからアメリカに移住した際、アイデアの伝えにくさや自信の欠如が若手プロフェッショナルや学生に大きな課題となっていることに気づき、コミュニケーション訓練の必要性を実感した。 当初はパブリックスピーキングの練習を目的としていたが、ユーザーが面接対策や営業プレゼン、困難な対話などに活用するようになり、企業向け研修ツールへと進化。現在は、Google、Snowflake、Databricks、RingCentral、Sandler Salesなど大手企業が、マーケティングエンゲージメント、パートナーサーティフィケーション、マネジメントコーチングの分野でYoodliを活用。また、フランクリン・コベイやLHHといったコンサルティング企業も、自社の教育手法に合わせてカスタマイズして導入している。 プラットフォームは、AIがシミュレートした会話(ロールプレイ)を通じて、ユーザーに反復的な実践機会を提供。AIはGoogleのGeminiやOpenAIのGPTなど複数の大規模言語モデルに対応し、Webブラウザから直接利用可能。日本語、韓国語、フランス語、カナダフランス語、インド諸言語なども対応。モバイルアプリは未提供で、訓練の中断を防ぐための設計だという。 プリ氏は、「AIはゼロから8や9まで引き上げられるが、本質的な自己表現や誠実さ、感情の共有といった人間的な側面は、人間のコーチがフィードバックするべき」と強調。AIは補助ツールであり、人間の指導を補完する位置づけだと説明している。 シリーズBラウンドではWestBridge Capitalが主導し、総調達額は約6000万ドルに達した。企業向けの定期収益は過去12か月で900%増加。シリーズAからBまでの間に、実施されたロールプレイ数とユーザーの練習時間は50%増加。資金調達のタイミングは当初予定外だったが、高い成長実績と主要顧客、およびトップ層の人事採用(TableauやSalesforce出身の幹部ら)が投資家の関心を引きつけた。 今後の資金は、AIコーチング機能の強化、分析ツールやパーソナライズの向上、アジア太平洋市場への進出に充てられる。現在の社員数は約40人。Yoodliは、AIが人間の能力を高める「共創」のモデルを、企業研修の分野で実証し続けている。
