「バイブコーディング」提唱者のカルパティ氏が予言する、AIが変えるソフトウェア開発の未来
AI分野の先駆者として知られるアンドレイ・カルパティ氏が、「バイブコーディング」の概念を提唱したことで世界的な注目を集めたが、2025年の終わりにかけてその影響について新たな予測を発表した。カルパティ氏はOpenAIの共同創業者であり、Teslaで5年間AI部門を率い、アトロピロット開発や人型ロボット「オプティマス」の開発にも携わった。その経験を背景に、今年2月に提唱した「バイブコーディング」は、ソフトウェア開発のあり方を根本から変える可能性を秘めていると語っている。 彼はX(旧Twitter)に投稿した2025年総括で、「バイブコーディングは、高度な専門知識を持つ人だけに限られるプログラミングの枠を破る」と指摘。その結果、従来は開発者にしかできないと考えられていた作業が、一般の人々にも広がりつつあると強調した。彼は「プロフェッショナルが本来なら書かなかったソフトウェアを、大量に生み出すことができる」と述べ、開発の生産性向上に貢献していると評価している。 また、この新しい開発スタイルによって生まれるコードの特徴について、「自由で一時的、変形しやすく、一度使えば捨てられる」と形容。その結果、ソフトウェアそのものの性質が変化し、「ソフトウェアを地形のように変貌させる(terraforming software)」とまで述べた。職務内容も変化する可能性があり、開発者の役割が再定義されるだろうと予測している。 カルパティ氏自身は、当初この言葉を「シャワーでの思いつき」の投稿で生み出したことに「おもしろい」と語り、その広がりに驚いていると明かした。一方で、実際の効果には疑問も残る。7月に発表されたMETR研究によると、経験豊富な開発者がAIコーディング補助ツールを使うと、生産性が19%低下したという結果も出ている。また、開発者はツールの効果を過信する傾向も指摘されている。 それでも、バイブコーディングは実際の成果を生み出している。Twitter創業者ジャック・ドーシー氏も今年、この手法で新しいメッセージアプリを開発。非技術者によるアプリ開発・配信・販売が、数時間から数分で可能になる事例が相次いでいる。カルパティ氏は、Google GeminiのNano Banana画像モデルやClaude Codeが「LLMエージェントの最初の説得力ある実例」と評価し、2025年を「刺激的で、わずかに驚きのある年」と総括している。
