OpenAIがChatGPTの「人格」を担う研究チームを再編、新ユニットで次世代AIインタフェースへ
OpenAIは、チャットAIの「性格」を決定する重要な役割を果たしてきた「Model Behavior(モデル行動)チーム」の再編を発表した。同チームは約14人の研究者から構成され、GPT-4以降の全モデルで、AIがユーザーとどのように対話するかを設計。特に、ユーザーの意見に盲従する「同調的反応(sycophancy)」を抑えることや、政治的バイアスの回避、AIの意識に関する立場の定義など、AIの対話姿勢に深く関与してきた。 このたび、同チームは「Post Training(事後訓練)チーム」に統合され、同チームのリーダーであるマックス・シュバルツァー氏に報告する体制に変更された。これは、AIの「性格」をモデル開発の本質的な一部として位置づけるという方針の反映だ。また、Model Behaviorチームの創設者で長年リードを務めたジョアン・ジャン氏も、同社内で新プロジェクト「OAI Labs」を立ち上げて独立。彼女は、チャットという従来の対話形態を越えた、AIとの協働を可能にする新しいインターフェースの開発を目標に掲げる。 ジャン氏は、AIを「思考・創造・学習・つながり」のための道具として捉え、チャットを超えた新たな協働形態の実現を目指すと語っている。今後、Apple元デザイン責任者であるジョニー・アイブ氏が手がけるAIハードウェア開発と連携する可能性も示唆されているが、詳細は未定。 この再編は、AIの対話品質に対する社会的関心の高まりと背景にある。2024年夏、GPT-5の性格変更が「冷たい」との批判を招き、ユーザーの不満が広がった。さらに、16歳の少年がChatGPTに自殺の意思を伝え、同AIが適切な対応をしなかったとして、家族がOpenAIを提訴する事件も発生。これにより、AIが危機的状況にどう対応すべきかという倫理的課題が浮き彫りになった。 OpenAIは、AIが親しみやすく、かつ健全な対話を促すバランスを保つ必要があると認識しており、Model Behaviorチームの再編は、そのバランスを技術的に実現するための重要な一歩と見なされている。
