Ibex、HER2バイオマーカー解析AIがIVDR認証取得 乳がん診断の精度と一貫性を向上
アイベックス・メディカル・アナリティクス(Ibex Medical Analytics)は、乳がんのHER2バイオマーカースコアリング向けAI診断ソリューションが、欧州の体外診断医療機器規制(IVDR)認証を取得したと発表した。このAIツールは、病理学者の判断を支援する完全自動化された「ゼロ・クリック」型の意思決定支援システムで、HER2免疫組織化学(IHC)スコアリングの正確性と一貫性を大幅に向上させる。特に、HER2低発現(HER2-low)とされるケースの検出において、従来の方法では難しい客観的評価を可能にしている。 Ibexは、アストラゼネカと第一三共と共同でこのソリューションを開発・検証。デジタル化されたHER2 IHC染色乳がん組織画像を解析し、腫瘍細胞の染色パターンを検出し、ASCO/CAPガイドラインに基づいた4段階のスコア(0、1+、2+、3+)に分類。さらに、IHCスコア0でも膜染色が確認される「超低発現」ケースの検出も支援する。 複数の臨床研究(14カ国14施設の国際研究および複数読者による検証試験)で、AI支援下の病理医のスコアリング精度と一貫性が向上していることが実証された。IVDR認証は、EU規制に基づく厳格な審査プロセスを経て取得され、複数の病院、スキャナーモデル、抗HER2抗体、患者集団においても高い性能を示した。 ケンブリッジ大学病院のエレナ・プロヴェンツァノ博士は、「HER2低発現症例の再現性ある検出が臨床現場で求められている今、IbexのHER2ツールは極めて価値がある」と評価。同社のHER2スコアリングは、Ibex Breastという統合型AIソリューションの一部として、乳がんH&E染色スライドで54種類の組織形態を検出する機能も備えており、世界の主要病理解剖部門で広く導入されている。 Ibexの臨床・科学担当バイスプレジデント、マヌエラ・ベクスラー氏は、「病理医のニーズに合わせて開発されたAIは、診断の信頼性と効率を高める。この認証は、実臨床での高い実績と使いやすさを裏付けるものだ」と述べ、患者ケアの質向上への貢献を強調した。 Ibexは、世界で最も広く導入された病理AIプラットフォームとして、CE-IVD、UK MHRA、Australia TGA、Brazil ANVISA認証を取得。米国ではFDA承認と研究用(RUO)のソリューションも提供している。
