AI万能ワクチン初人体試験
英国ケンブリッジ大学は、人工知能によって活性成分が完全に設計された初のユニバーサルワクチンを対象とした臨床試験の結果を発表した。本試験は2021年末から2023年にかけて英国で実施され、約40人が参加した。研究チームのジョナサン・ヒニー氏は、この取り組みがワクチン開発を反応型から未来耐性型へ転換すると評価する。 対象ワクチンはSARS、MERS、COVID-19をはじめ、野生動物由来でヒトへ跨ぐ可能性のある多様なウイルスに対する免疫応答を誘導することを目的としている。従来のワクチンが変異株の追跡に終始するのに対し、機械学習アルゴリズムを用いて世界中のサーベコウイルスの遺伝子データを解析し抗原を設計した。これによりウイルス変異への対応サイクルから解脱し、パンデミックに先んじた予防を実現する可能性がある。 試験結果は専門誌Journal of Infectionで公開された。安全性と耐容性には問題が確認されなかったが、免疫系への影響は控えめと評価された。既存の免疫レベルを超える堅固な抗体応答の増加を示すデータは得られなかったと研究チームは指摘している。新型コロナウイルス感染症の影響が結果解釈を複雑にした可能性も考慮されている。 今回で有効性評価のフェーズ1は完了し、次は被験者数を増加させたフェーズ2試験へ移行し、実際の防護効果の解明が進められる。AI駆動型ワクチン設計の臨床適用は初となる本成果は、未来の新興感染症に対するバイオセキュリティ基盤の構築に向けた重要な一歩となる。
