AMD、Metaと5年間で6ギガワット規模のAIデータセンター協業を発表 カスタムMI450GPUで競争力強化
AMDがMeta Platformsと6ギガワット規模のAIデータセンター向け戦略提携を発表した。この契約は、10月にOpenAIと締結した類似の提携と非常に類似しており、両社が合計6ギガワットのコンピューティング、ストレージ、ネットワーク容量を確保する点で共通している。さらに、AMD株式1億6000万株相当のストック・ワラントを提供する点も同じだ。このワラントは、技術の導入実績やAMD株価の上昇に応じて行使可能となり、MetaとOpenAIはそれを売却して新たな資金調達を行う可能性がある。 今回の提携では、2026年下半期からスタートし、5年間で6ギガワットの容量を構築する計画。最初の1ギガワットは、Metaと共同開発した「Helios」Open Rack Wide v3ラックスケールシステムと、カスタム設計のMI450 GPUアレイで構成される。1ギガワットは約50万~60万GPUに相当し、5年間で合計330万枚のMI400シリーズ相当のGPUが導入される見込み。単価3万5000ドルで計算すると、GPUだけで約1155億ドル(年間231億ドル)の投資が見込まれ、AMDのLisa SuCEOは「ギガワット単位のインフラ投資は変革的」と評価している。 特に注目すべきは、MetaがMI450シリーズにカスタム設計のGPUを委託した点。これはMI400世代初のカスタムチップであり、HBMメモリ量やクロック速度、GPUチップレット数の調整により、推論ワークロード最適化が可能。AMDはチップレット設計により、ベクトルコアとテンソルコアを分離する可能性を示唆しており、Metaは性能や効率に応じて最適なバランスを設定できる。 また、Metaは「Venice」Zen 6 Epyc 9006や将来の「Verrano」Zen 7 Epyc 9007 CPUも大規模導入し、AIラックだけでなく、FacebookやInstagramなどの汎用アプリケーションにも活用する。AMDは、OpenAIとMetaの合計で2ギガワットの契約を獲得。これにより、サプライチェーンの安定と生産計画の確立が可能となる。 さらに、ワラント行使によるAMD株価上昇が期待され、2030年までに16000万株が行使されれば、約690億ドル相当の価値が発生。これは実質的なハードウェアの割安な調達に相当する。AMDは、MetaのAIアクセラレータ市場で約40%のシェアを獲得する見込み。一方、Nvidiaは50%、自社のMTIAやGoogle TPUも含めると10%前後。 Metaの2030年までのデータセンター投資計画6000億ドルのうち、AI関連は約3270億ドル。AMDはその半分近くを担う可能性を秘めており、Lisa SuCEOは「AMDはMetaへの大規模な投資を、MetaもAMDへの大規模な信頼を示している」と締めくくった。
