DeepMindCEOが指摘「AGIはまだ人間の知能に及ばない3つの課題」
グーグル傘下のAI研究機関DeepMindのCEO、デミス・ハサビス氏は、現行の人工一般知能(AGI)システムが人間の知能にまだ及ばない領域が3つあると指摘した。ニューデリーで開催されたAIサミットで行われた発言において、ハサビス氏は「現時点ではまだ到達していない」と明言。AGIとは、訓練された範囲を超えて柔軟に推論し、未知の問題を解決できる理論上の知能を指す。 まず第一に挙げたのは「継続的学習」の欠如。現行のシステムは学習済みのデータに閉じ込められており、リアルタイムの経験や状況に応じた動的な学習ができない。理想は、ユーザーの状況やタスクに応じてオンラインで学び、個人化された対応を可能にすることだという。 第二に「長期的思考」の不足。短期的な計画は可能だが、人間が数年単位で抱く戦略的計画力は、現時点のAGIにはない。長期的な目標設定やその達成に向けた段階的推進が難しい。 第三に「一貫性の欠如」。一部の分野では優れた性能を発揮する一方で、基礎的な計算ミスを犯すことがある。たとえば、国際数学オリンピックで金メダルを獲得するほどの難問を解けるにもかかわらず、簡単な算数の問題を特定の表現で問われると誤答する。これに対し、人間の専門家は同様のミスをしない。真の一般知能とは、こうした「不均一さ」を持たないはずだと強調した。 ハサビス氏は昨年『60 Minutes』のインタビューで、真のAGIの実現は5〜10年以内と予測。2010年にDeepMindを共同設立し、2014年にグーグルが買収。2024年にはタンパク質構造予測の功績で化学分野のノーベル賞を受賞。同社はグーグルのGeminiの開発を担っている。 一方、シリコンバレーではAGIの定義に意見が分かれている。データブリックスCEOのアリ・ゴドシーは、現在のAIチャットボットが既にAGIの定義を満たしていると主張。しかし、一部のリーダーは「ゴールポストをずらす」ことで、さらなる超知能の実現を目指す姿勢を示している。 今週開催中のインドAIサミットには、OpenAIのサム・アルトマン氏、Anthropicのダリオ・アモデイ氏、グーグルのサンダール・ピチャイ氏、Metaのアレクサンドル・ワン氏らが登壇。AGIの未来に関する議論が活発に進められている。
