アマゾンのZoox、サンフランシスコでロボタクシー運行開始へ、ウェイモとの競争が本格化
Amazon傘下の自動運転車開発企業、Zoox(ズーッ)が、サンフランシスコで「エアリーライダー・プログラム」を開始し、選ばれた一般利用者に無料の無人タクシー体験を提供する。このプログラムは10月15日から始まり、同社の特徴的な「トースター型」の無人車両を、ソマ(South of Market)、ミッション、デザイン・ディストリクトなど一部の地域で体験できる。Zooxのアイチャ・エバンスCEOは「この市場への関心は非常に高く、本格的なロボタクシー体験をより多くの人に届ける第一歩だ」と語った。利用者はZooxアプリの待機リストから抽選で選ばれ、サービスのフィードバック収集と、実走行環境での性能検証を目的としている。当初の参加者数は明かされていないが、拡大に伴い待機リストから順次外されていく予定。Zooxは2026年までに待機リストを完全に解消する目標を掲げている。 Zooxは2014年に設立され、2020年にAmazonが13億ドルで買収。同社の特徴は、あらゆる部品を自動運転専用に設計した独自の車両開発にある。従来の改造型車両とは異なり、ステアリングホイールやペダルがなく、内装は対面式の座席配置で、スキー場のゴンドラを連想させる。2017年からサンフランシスコでテストを開始し、2023年には同市で従業員の家族や友人向けに限定公開を実施。2024年9月にはラスベガスのスイート・ストリップで初の一般公開サービスを開始し、世界中から数千人が体験。好評を博し、従来の車両との比較でも「Zooxの車が好ましい」との声が多数寄せられている。 現在、Zooxはラスベガスとサンフランシスコに合わせて約50台のロボタクシーを展開。同社はシカゴ、アトランタ、ワシントンD.C.、シアトル、オースティンなどでもテストを進めている。一方、Alphabet傘下のWaymoは2020年からフェニックスで運行を開始し、現在は5都市で完全自動運転の有料サービスを提供。サンフランシスコでは2024年6月に全住民対象のサービスを開始。2024年5月時点で1000万回以上の有料乗車を達成。また、フリーウェイ走行サービスの拡大も発表しており、サンノゼやサンノゼ国際空港にも拡張する予定。 Zooxは、Waymoと同様に、完全自動運転の実現を目指すが、車両設計から自律性を最適化する点で差別化を図っている。2025年以降、米国での本格展開と、有料サービスの開始を視野に入れている。業界では、Zooxの参入が自動運転タクシー市場の競争を激化させる可能性が注目されている。
