Beacon Biosignals、8600万ドル調達で脳健康のAI解析を加速
神経科学スタートアップのBeacon Biosignalsは、2025年11月13日、8600万ドルのシリーズB資金調達を発表した。この資金は、世界最大規模の神経診断データベースの構築と、AI駆動の脳機能バイオマーカーの臨床応用を加速するためのもの。Google Ventures(GV)、Innoviva、Nexus NeuroTech Ventures、S32、Catalio Capital Management、武田薬品らが主な投資家を務め、General Catalyst、Logos Capital、Casdin Capital、Indicator Venturesも継続出資。これにより、Beaconの累計調達額は1億2100万ドル以上に達する。 同社の核となる「Beacon Platform」は、臨床的に検証された高精度EEGデータとAI技術を融合し、睡眠中に脳の機能を定量的に評価する。睡眠はうつ病、パーキンソン病、アルツハイマー病、睡眠時無呼吸症候群など、神経・精神疾患の重要な兆候であり、同時に病態のメカニズムを解明する鍵となる。Beaconの技術は、世界トップ10のバイオファーマ企業の半数以上と共同研究を進め、中枢神経系(CNS)薬の開発スピードを向上させている。 さらに、同社はCleveMedの家庭用睡眠検査(HST)技術を買収・統合し、呼吸量、呼吸努力、酸素飽和度といった心肺データも組み込むことで、脳活動と睡眠状態を包括的に測定できるプラットフォームを実現。これは、従来の消費者用スリープトラッカー(心拍数や運動から睡眠を推定)とは異なり、臨床的に信頼できる脳波と生理データを家庭で取得可能にする画期的な仕組み。 GVのアントニ・フィリパキス医師は「神経学と精神医学は、他の分野で見られる客観的バイオマーカーが不足していた。Beaconは現実の睡眠EEGから実用的な知見を生み出す」と評価。Innovivaのパベル・ライフェルドCEOも「脳のリアルワールドデータを薬の開発と臨床ケアに結びつけることで、精密神経科学のインフラを構築している」と期待を寄せた。 Beacon Biosignalsは、家庭で高精度な脳と睡眠データを収集できるFDA認可のウェアラブルデバイス「Beacon Waveband」と「SleepView」を提供。これにより、従来の病院での睡眠ポリソムグラフィーに比べ、コストと負担を大幅に低減しつつ、臨床診断と大規模研究を可能にしている。睡眠は脳の状態をリアルタイムで映し出す唯一の窓であり、そのデータをAIで解析することで、疾患の早期発見、治療効果の評価、患者選択の精度向上が実現している。
