アップル新CEO、早期の試練に直面
Appleはジョン・テルヌスが新CEOに就任し、ティム・クックは執行議長に転じた。テルヌス新CEOは就任から8日後の9月9日、年次iPhone発表イベントを目前に控えている。市場では初となる折りたたみ式iPhoneの登場が予測され、新体制が直面する最初の試練となっている。 最大の課題はAI戦略の再構築である。Siriの大幅刷新を延期し、次世代Apple Intelligenceの実現に向けてGoogleのGeminiと提携する方針は、研究開発コストの抑制策と解读できる一方、市場ではAIアシスタント競争における遅れを認めるものと受け止められている。スマートホームハブ、カメラ内蔵イヤホン、スマートグラス、ロボットアシスタントへのAI統合構想は進んでいるが、それらを市場価値に繋げる統括責任がテルヌスCEOに負わされる。 人材確保にも課題が残る。基盤モデル開発責任者や設計担当役員など主要技術陣の相次ぐ流出が伝えられ、その多くがMetaへ移動している。テルヌスCEOはカリフォルニア州クパチーノでの事業展開に改めて自信を持たせ、優秀な人材の定着を図る必要がある。 地政学リスクの管理も重要な役割である。クック議長は中国市場の拡大と関税交渉、ワシントン政界との調整において長年手腕を発揮してきた。テルヌス新CEOはハードウェア設計が専門だが、政府関係者との外交的折衝は新たなスキルが求められる。クック議長が引き続き政策交渉を担当する体制が整っているものの、サプライチェーンの安定とグローバル市場での競争力維持は新CEOの手腕が問われる局面だ。 新CEOは技術革新の推進と組織・外交的課題の両立を迫られ、Appleの次世代戦略の方向性が早期に明確になることが期待される。