医療記録大手Epic、セキュリティ不具合修正で開発一時停止
医療記録ソフトウェア大手Epic Systemsは、顧客データ侵害のリスクを伴う重大なセキュリティ脆弱性の修正のため、製品開発の大部分を約6週間停止すると発表した。創設者兼CEOのジュディ・フォークナー氏は、患者向けプラットフォーム「MyChart」の保護を最優先課題と位置づけ、システムの堅牢化に向けた集中取り組みを指示している。この措置は、Anthropicが提供するAIセキュリティモデル「Mythos」が構成上のバグを検出したことに端を発する。最高セキュリティ責任者のスターリング・マーチン氏によれば、一部の顧客環境では外部から検知ログを生成せずに患者記録にアクセス可能な状態が存在し、データ改ざんの懸念も示唆されている。Epicは3億2,000万件以上の医療レコードを扱うMyChartの修復に注力するが、データ管理の責任主体は各医療機関にあるとの立場を維持しつつ、プラットフォーム自体のセキュリティ強化を急務としている。 開発停止という異例の対応を選んだ背景には、AIを活用した脆弱性発掘・悪用の加速化に伴うサイバー脅威の高度化がある。医療インフラは高額身代金を狙ったランサムウェアや情報漏洩の格好の標的となっており、近年は複数の大手医療IT企業での相次ぐ事案が業界全体の体制見直しを迫っていた。Epicの今回の対応は、AI時代における医療データ保護の重要度を再認識させる契機となり、開発プロセスにおけるセキュリティファーストのパラダイム転換を示すものとして業界内で注目されている。
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