マスク訴訟で判明したOpenAI内情10の真実:ブロクマンの日記からナデラの投資まで
米国連邦裁判所が2024年10月に公開した、イーロン・マスク氏がOpenAIとサム・アルトマンCEOを相手に提起した訴訟関連の機密文書が、シリコンバレーの内情を露わにした。100件以上に及ぶメール、テキスト、日記などから明らかになった内容は、マスクとアルトマン、そしてマイクロソフトのサティア・ナデラCEOらの関係性や、AI企業の運営における葛藤を浮き彫りにしている。 まず、OpenAI共同創業者のグレッグ・ブロクマン氏の個人日記から、マスクとの関係を断ち切る可能性についての逡巡が読み取れた。彼は「マスクから離れる唯一のチャンス」と書き、自身の「運命」や「10億ドルの資産」を夢見ており、アルトマンの将来も懸念していた。一方、マスクの側近であるジェレッド・バーチャル氏は、ネューラリンクの財務責任者としての役割を2023年8月に退任。同社の新財務責任者に移行したとされる。 ナデラCEOは、自身の金融アドバイザーがネューラリンクに投資したと証言。また、2023年7月に「AIの転換点:使命、変革、次世代AIの到来」と題する共著書の作業に携わっていたことが文書で判明。同書は最終的に発表されなかった。 マスクは2016年、NVIDIAのジェンセン・ファンに「OpenAIが最初のスーパーコンピュータを購入できるか」と依頼。ファンは「最初の一台を確保する」と応じた。2018年には、Googleに遅れを取る危機を訴え、アルトマンに「即座に大規模な対応が必要」と警告。同年2月、マスクはOpenAI取締役を退任。その理由として、テスラとのAI開発の利害対立を挙げ、公に「影響力と実態が一致しない状態」は容認できないと明言した。 2016年、マスクはAmazonよりマイクロソフトを推すと明言。アマゾンは「ずる賢い」、マイクロソフトは「マーケティングは嫌い」と評した。その後、OpenAIは2019年、マイクロソフトと戦略提携を発表。 2023年11月、アルトマンがOpenAIのCEOを罷免された際、元CTOのミラ・ムラティ氏がナデラに「全員の雇用保証」を要請。ナデラは翌朝「その通りだ」と返信。ムラティは「公の声明でチームを統一してほしい」と要請し、研究者を「デミス・ハスブローア」や「マスク」に引き抜かれるのを防ごうとした。 2023年2月、アルトマンはマスクに「OpenAIを攻撃する発言は、私にとって『英雄』を攻撃するのと同じだ」と訴え。マスクは「文明の存亡が懸かっている」と返答。双方の対立は、技術の方向性だけでなく、信頼関係の崩壊にもつながっている。 これらの文書は、AIの未来を巡る力の闘いが、単なる技術論ではなく、人間関係と戦略的判断の連鎖であることを示している。2025年3月、両者の裁判が予定されている。
