AIが変えるオンラインショッピング――Phia創業者が語る、サステナブルな買い物の未来
Phiaの共同創業者であるフェイビ・ゲーツとソフィア・キアニは、AIがオンラインショッピングのあり方を根本から変える可能性に着目してスタートアップを立ち上げた。二人はスタンフォード大学でルームメイトとして出会い、長時間にわたって自分のファッションを広げるための商品探しに苦労した経験から、AIが「何を買うべきか」の意思決定を支援する新たな価値を生み出せると確信した。2025年3月のTechCrunch Disruptで、キアニは「誰もが手元にパーソナルショッパーを持てないのは、大きな空白だ」と語り、この課題にAIが対応できると指摘した。 Phiaは、当初は授業の課題として始まり、市場の需要を裏付ける形で発展。正式にリリースされたのは、製品と市場の適合(product-market fit)が得られた後だった。現在、同社のツールはブラウザ拡張機能とアプリで提供され、150以上の中古品取引プラットフォームと連携。自社の検索データベースには3億5000万件以上の商品が収録されており、価格比較だけでなく、サステナビリティの観点から中古品購入の利点を強調している。キアニによると、中古品購入は新品購入と比べて二酸化炭素排出量が約80%削減されるという。 さらに、AIによる価値判断支援機能も開発中。ユーザーが高額バッグを購入する際、その再販価格がどの程度になるか、あるいはファストファッション品がすぐに価値を失うかをAIが分析。また、過去の注文・返品履歴からサイズの適性を予測する機能も、ベータテスト段階で提供されている。 マーケティングでは、アンバサダー制度や自作コンテンツ、ポッドキャストを活用。キアニは「低コストで数十万ダウンロードを獲得できたのは、多様な配信チャネルの活用が鍵だった」と語る。ゲーツも、スタートアップのリアルなプロセスを共有することで、ユーザーとの信頼関係を築いたと述べ、「自分を良く見せたいという思いから、『裏の様子』を公開する姿勢に変わり、ユーザーとのつながりが深まった」と振り返った。 ゲーツは、父親がビル・ゲーツである点を認めつつも、Phiaの利用者層とは異なるとし、「彼は私たちの価格比較や買い物リストの最適化には関心がない」と笑いながら語った。AIによる買い物の未来は、個別化と持続可能性を融合させつつ、人間らしい判断と透明性を重視した形で進んでいる。
